検索窓
今日:11 hit、昨日:9 hit、合計:11,981 hit

拾参話 ページ13

ゆき子が申し訳なさそうに俯く。

右手をきゅっと握りしめ、振り絞ったような声で云った。




「先輩が.....大切なんです........だから、取られたくなくて........!」





苦しそうに顔を歪めるゆき子に芙美子は耐えられなくなり、ゆき子に抱きついた。




「ごめんなさい、ゆき子。ありがとう」



「せん、ぱ......」



「君、それだけじゃないだろう」





太宰が横からにやりと意地の悪い笑みをゆき子に向け、真意を探ろうとする。


その眼差しにゆき子は「うっ」と唸ったあと、観念したかのようにため息をついた。




「太宰さんと先輩が本当に幸せになれるか試したんです」



「芙美子が心配で?」



「そうですよ。ほんとにあなたは嫌な人ですね」



「芙美子にもそれ云われたよ」




参ったように笑う太宰を横目に、ゆき子はふっと笑った。




「あ、今笑ったね?」



「あなたが馬鹿すぎて」



「ひどいなあ」



「あら、私そっちのけで楽しそうに」



「嫉妬?可愛い」




太宰が芙美子の頭を撫でる。


芙美子は顔を少し赤くして「子ども扱いしないで!」と太宰の手を振り払った。




「私からすればまだ子どもだけど」



「う、うるさい!」



「照れてる先輩......レアだ.......」



「こら、ゆき子!!!」

拾肆話→←拾弐話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.4/10 (14 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
120人がお気に入り
設定タグ:文スト , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

麻月☆(プロフ) - 暁美 萌さん» ありがとうございます!!励みになります(*˙˘˙*) (2017年12月20日 6時) (レス) id: 2189571e01 (このIDを非表示/違反報告)
暁美 萌 - 面白い!!気に入りやした\(^∀^)/ (2017年12月19日 23時) (レス) id: 138e63448f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:麻月☆ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/my3126rk5/)  
作成日時:2017年2月9日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。