約束【桃】 (ページ31)

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時は経ち、受験を乗り越えた私たちは無事に大学生になった。

わたしと照は同じ大学を目指して勉強していて、ふっかは「俺もそこ行く」と言い出してからは必死に勉強して、３人とも無事に同じ第一志望校に合格できた。

大学進学と同時にわたしは一人暮らしも始めた。

大学に入ってからは、照はダンスを続けたいからって結構本格的なダンスサークルに入った。

わたしは特にやりたいことも無かったから、ふっかに誘われて一緒のサークルに入ることにした。

所謂"飲みサー"ってやつで、照は最初は顔を顰めてたけど、たぶんふっかと一緒だから渋々サークルに入ることを許してくれた。

サークルで知り合った渡辺○太っていう塩顔男子は、ふっかとノリが合うらしく、ふっかと仲の良いわたしもすぐに仲良くなった。

最初はふてぶてしい態度がちょっと怖かったけど、中身を知ればただの５歳児で可愛いやつだった。

大学生になったふっかはさらにモテが加速して、○太とやりたい放題好き放題していた。

たまに女の子を泣かせたりして、二人は悪友コンビなんて周囲に呼ばれたりもしていたけど、わたしにとっては良き友だった。

照とは驚くほどに順調で、大学に入ってからも仲良く過ごしていた。

何年経っても照の愛情の熱は変わらなくて、

いつも優しくて甘くて蕩けそうな目でわたしを見つめてくれる。

そんな照のことがわたしも大好きで。

車と大型バイクの免許を取った照とドライブに行ったり旅行に行ったり、思い出もたくさんできた。

大好きな彼氏と大好きな友達に囲まれて、こんなに幸せでいいのかってぐらい楽しく過ごしていた。

…

季節が過ぎて私たちは大学二年生になった。

ある日、友達と飲みに行った帰り道。

友達は彼氏と会うからって早めに解散となった。

…照は今日用事あるって言ってたし。

なんとなく飲み足りないわたしは家の近くにある、バーの存在を思い出す。

佇まいが素敵でいつか行きたいと思っていたお店。

まだ早い時間だし一杯飲んで帰ろうかな。

わたしはまるでそこに導かれるように入っていった。

その選択が運命を変えることになるとは知らずに──

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