約束【桃】 (ページ32)

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Another Story【紫】ページ32

▶︎深澤Side

一目惚れだった。

こんな可愛い子いるんだ？って。

俺の目の前に天使が現れた。

その時本気でそう思った。

クラスが違うその子とは全校集会や廊下で会うぐらいしかなくて、

いつもその子を探して見つけてはチラチラと見ていた。

その子の笑顔を見る度にド○○キと俺の心は高鳴る一方だった。

クラスが一緒になった照とはなんとなく波長が合って、入学してすぐに仲良くなった。

そのうちつるむようになって、ずっと一緒に行動するようになった。

そんな照と廊下を歩いていた時、あの子を見つけた。

今日も可愛いな〜なんて眺めてたら、こちらを見て微笑む天使。

え？俺！？今、俺に笑いかけてくれた！？！？

しかもこっちに向かって来るんですけど！！！！！

ド○○キして固まっている俺の横を通り過ぎた天使は

『ひーくん！』

と俺の隣の男に微笑みかける。

え？ひーくん？

こいつが？？？

どう見てもひーくんってキャラじゃないだろ！？

だけど話しかけられた照の顔を見て俺は一瞬で悟っちまった。

あー、照もこの子のこと好きなんだって。

ほら、俺って勘鋭いじゃん？

照はその天使のことを「A」と呼び捨てにして、その仲睦まじ気な姿に嫉妬する。

なんだよ、俺蚊帳の外じゃん。

っていじけてたら『ひーくんのお友達？』と突然話しかけられた。

照「あー、こいつ深澤だからふっかって呼ばれてるんだけど、悪いやつじゃないから仲良くしてやって？」

『ふっか？よろしくね！』

ずっと遠くから見ていた笑顔が初めて俺に向けられたその瞬間、まじで昇天するかと思った。

けど会う度に俺じゃなくって照に微笑みかけるAを見て、俺はどんどん自信を失っていく。

それに照とつるんでいるうちに、こいつまじでいい奴だなって照のことも大好きになって、照との関係も壊したくなくて

俺は初恋の気持ちを心の奥に閉まったんだ。

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