Distance makes the heart grow fonder 2

♯61 ページ16

「……今度は出しながら達して見せて」
張りつめてた俺のものから手を離し、太輔が大きく抜き差しをする

中で達したばかりの身体は、俺の意思に関係なく奥まで突き入れられる度に蜜が溢れる

立て続けの絶頂に目の前のチカチカが止まらず、甘い声も涙も止められない
縋るように背中を抱きしめる

「…宏光…奥にぜんぶ注いでいい…？」
乱れた吐息混じりに問われ夢中で頷けば、きつく抱きしめられ、一際大きく突き入れられた

最奥に溢れるたっぷりとした熱に絶頂の波が更に高くなり、つま先まで痺れが渡りながら、俺も弾ける

涙でぼやけた視界に映るのは濃い黒の瞳
「…ひろみつ…」
まだ息を乱してる恋人が、感動しているような声で名前を呼ぶ
言葉にしなくても気持ちが伝わってる喜びに微笑み、俺も恋人の名前をと口にする前に、太輔の唇が深く重なった







別荘に来てそろそろ1週間
あれだけ多忙を極めていた恋人が、長時間外出することも無く、ずっと俺を側に置いてのんびりと過ごしている

本人に焦ってる様子はないが、こまめに数ヶ国の経済新聞やネットのニュースをチェックしているところを見ると、やはり心配になってしまう

自分を選んだせいで、ホテルの最高責任者を外されたんじゃないかと…

「太輔、仕事の方は本当に大丈夫なの？」
シェリをスケッチしていた俺は手を止め聞いてみると、ソファの隣でノートパソコンを操作していた太輔がこっちを見て微笑んだ

「大丈夫だよ」
長い腕が腰に回ってきて髪にキスを落とされる

「僕が君に嘘をついたことがあった？」
「……ないです……けど…」
「大丈夫になるようにこの数ヶ月で体制を変えてきたのが奏功してるみたいだよ 友輔の荒治療も上手くいったようだし」
「荒治療…？」

きょとんとする俺に
「詳しいことは後で本人が話してくれると思うよ さっき居場所を知らせたから今日中にやって来るだろうし」
「えっ！」

兄と別れてほしいと友輔さんに頼まれて、1度はその頼みを受け入れた俺としては、今太輔の隣で幸せを絵にしたかのような生活を送っている手前、会うのは気まずい
だけどこれから先も太輔の隣にいるためには避けては通れない相手だ

深刻な顔で友輔さんの襲来に覚悟を決めようとしてると、くしゃりと髪を撫でられた

「心配することは何もないよ 友輔が怒りを向けるとしたら君じゃなくて僕にだろうし」

兄を尊敬してる友輔さんがまさか…と思うのに、太輔は楽しげに笑ってあっさり話題を変える

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