55話 ページ9
食堂へ戻ると、レンちゃんを含め、大半の使用人は仕事へ行ったようで、人の姿はまばらだった。
チラリと時計を確認すれば、朝の8時半。今日の出勤は、どういうわけか9時なので、まだ時間に余裕はあった。
それなら、先ほど水をかけられて濡れてしまった服を取り替えよう、と思って、そういえば服はラディアさんの執務室の後ろにあったことを思い出す。
……問題を起こしてしまった後だから、ちょっと怖い。
けど、腹には変えられない__と思って部屋まで行った。お入りなさい、という声がして、失礼しますと言って部屋へ入れば、ラディアさんは私を見て目を丸くした。
「A?どうしたの、その服は」
「これは、えーと……すみません。お花の水やりをしていたら、盛大に滑って転んでしまって、ばしゃん、といってしまいまして……」
「あらあら、大変!怪我はない?すぐに代えのシャツを持ってくるわね」
「ありがとうございます」
ぱたぱたと衣装部屋へ向かう彼女を見送って、その場で待つ。真実を言わなかったのは、言ったら言ったでますます面倒なことになりそうだったからだ。決してツンデレとかドMとか、そういうわけじゃないぞ。
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すみれ - 続編おめでとうございます!この作品とても好きです! (2022年10月23日 21時) (レス) @page2 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - あの、ちょいちょき面白くてクスッと笑ってしまう所がありとても好きなお話です。これから続きを読んできます! (2022年7月19日 21時) (レス) @page50 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
まほ(プロフ) - めっちゃこの小説が大好きで、この小説を読むでいる時間が一番幸せです(^-^)これからもよろしくお願いします (2021年9月16日 16時) (レス) id: dab527b906 (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - スカ一さん» はい、大丈夫です。よろしくお願いいたします。 (2021年9月16日 6時) (レス) id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
スカ一(プロフ) - サンセットマリンさん» おはようございます、お世話になっております。ご了承頂きありがとうございます。では、今回の件はこれにて終了とさせて頂きたく思います。また、作者名、作品名を伏せて事の経緯の説明を当方の作品内でさせて頂いてもよろしいでしょうか? (2021年9月16日 6時) (レス) id: c3f5308968 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サンセットマリン | 作成日時:2021年9月7日 18時