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54話 ページ8

そう言えば、ひく、とレイアさんの顔が引きつった。こちらを睨みつけて、何かを言おうとして、一度口を閉じた。数秒経って、再び開く。


 「あなた__私と__対等な立場のおつもりでいらっしゃるの?」
 「そりゃあそうでしょう同じ釜の飯を食べるメイドですし。それとも何ですか、あなたは他と違うんですか?そこの湖で魚を捕ってサバイバルでも?」
 「この__」


 減らず口、と憎々しげに言われる。お取り巻きの一人が「あなた、レイア様に謝りなさい!」と叫んだ。


 「レイア様は、あなたみたいな平民とは違う、高貴な血筋のお方よ。わけあって、ここでメイドとして働いていらっしゃるけれど、本来であればあなたのような下賎の者と言葉を交わすことすらないわ」
 「でも今は同じ、このお城で働くメイド。上下関係があるとすれば、あなたは先輩で私が新人と言うことくらいでしょう。でも、私は誰であれ他の人を落として自分の方が上と言う人間が大嫌いよ。人にとやかく言う前に、まずは自分の態度を改めたら? __スマイル様は、あなたが馬鹿にしていい相手じゃないし、下に見ていい相手でもない」


 吐き捨てれば、お取り巻き含め顔が真っ赤になった。怒りを押し殺しているような、そんな表情。



 「お話は、それだけでしょうか? それだけなら、失礼します。“高貴な”あなた方と違って、私にはこれでもかと仕事が残っているので」



 そう言ってゴミ捨て場を後にしようときびすを返せば、「あなた、顔は覚えたわよ! __覚えてなさい、後悔させてやるわ!!」というテンプレみたいな叫びが聞こえたが、とりあえず無視した。

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すみれ - 続編おめでとうございます!この作品とても好きです! (2022年10月23日 21時) (レス) @page2 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - あの、ちょいちょき面白くてクスッと笑ってしまう所がありとても好きなお話です。これから続きを読んできます! (2022年7月19日 21時) (レス) @page50 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
まほ(プロフ) - めっちゃこの小説が大好きで、この小説を読むでいる時間が一番幸せです(^-^)これからもよろしくお願いします (2021年9月16日 16時) (レス) id: dab527b906 (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - スカ一さん» はい、大丈夫です。よろしくお願いいたします。 (2021年9月16日 6時) (レス) id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
スカ一(プロフ) - サンセットマリンさん» おはようございます、お世話になっております。ご了承頂きありがとうございます。では、今回の件はこれにて終了とさせて頂きたく思います。また、作者名、作品名を伏せて事の経緯の説明を当方の作品内でさせて頂いてもよろしいでしょうか? (2021年9月16日 6時) (レス) id: c3f5308968 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サンセットマリン | 作成日時:2021年9月7日 18時

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