64話 ページ18
きりやんさんの担当は、本人の気遣いもあってか何ごともなく終わりを迎えた。あぁ、平和って素晴らしい。
去り際に「またね」と言ってもらえたし、粗相がなくて本当によかった。今のところ問題ばかりの私にだって、平穏なメイド生活は出来るのだ。
「お疲れ様〜。Aちゃん、すごくよかったわよ〜。きりやん様も楽しそうにしてらしたし、花丸をあげましょう〜!」
「あ、ありがとうございます!」
いい子いい子〜、とフィーさんが頭を撫でてくれる。お姉ちゃんかお母さんがいたらこんな感じだったのだろうか。
「きりやん様の担当は、他に比べて少しだけお仕事も多いし、疲れたでしょう。日誌は私がやっておくから、先に休んでいいわよ〜」
「ありがとうございます!……あっ、でもそうだ、今、何時ですか?」
「ん?えっと……9時半過ぎね」
「わぁ、意外と時間ない。すみません、ここからなかむ様の部屋ってどう行くか教えていただいてもいいですか?」
「なかむ様?どうして〜?」
「えっと……なんか、10時にお部屋に行くように言われてて」
「……朝の話じゃなくて?」
「はい。今夜って」
フィーさんが黙った。困ったように眉根を寄せて、どこか気遣うように私を見る。心配しているようにも見えた。
「フィーさん?」
「えっと〜……Aちゃん。つかぬことを聞くんだけど〜……」
「はい?」
「メイドが幹部様に夜に呼ばれる意味、わかってる?」
「意味? _____あぁはい、もちろんです!」
「そう……」
「一緒にお話したり、本の読みきかせで寝かしつけたりするってことですよね?」
「え?」
「読み聞かせのお話、今のところ"Deathゲーム〜狼と999人の村人と存在しない吸血鬼〜"と"プロテインの森のゴリラ"で迷ってるんですが、なかむ様はどっちがお好みですかね」
「いや、あの……」
「自分、結構読み聞かせ得意で……あ、なかむ様パンダの格好してるから、"ふわふわくまちゃんともふもふパンダくん"シリーズもありですね!」
「……………………」
再びフィーさんが黙った。
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遅ればせながら評価100超え、お気に入り500超えありがとうございます!嬉しくて涙出そうです……!
記念に(?)自分の中でのAさんの設定を載せときますと、彼女は物理的にも精神的に強いし頭もいいです。
ただし、ホットケーキを頼んだらショートケーキをレンチンして差し出すタイプです。
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すみれ - 続編おめでとうございます!この作品とても好きです! (2022年10月23日 21時) (レス) @page2 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - あの、ちょいちょき面白くてクスッと笑ってしまう所がありとても好きなお話です。これから続きを読んできます! (2022年7月19日 21時) (レス) @page50 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
まほ(プロフ) - めっちゃこの小説が大好きで、この小説を読むでいる時間が一番幸せです(^-^)これからもよろしくお願いします (2021年9月16日 16時) (レス) id: dab527b906 (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - スカ一さん» はい、大丈夫です。よろしくお願いいたします。 (2021年9月16日 6時) (レス) id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
スカ一(プロフ) - サンセットマリンさん» おはようございます、お世話になっております。ご了承頂きありがとうございます。では、今回の件はこれにて終了とさせて頂きたく思います。また、作者名、作品名を伏せて事の経緯の説明を当方の作品内でさせて頂いてもよろしいでしょうか? (2021年9月16日 6時) (レス) id: c3f5308968 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:サンセットマリン | 作成日時:2021年9月7日 18時