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65話 ページ19

「えっと……困ったわ〜。こういうときなんて言えばいいのかしら〜」と心底困ったように首をかしげるフィーさん。対する私の頭には疑問符が浮かんでいる。


 自国で私が誰かに夜呼び出された時は、限定品のお菓子を買ったから他の人にバレないようにこっそり食べる、徹夜した人間をどうにか寝かせるために読み聞かせをする、なんてのが鉄板だった。

 今回に関してはお菓子を食べるではないだろう(なかむさんは食べられないし)から読み聞かせが妥当だと思っていたのだけど。


 「違うんですか?お菓子の方でしたか?」
 「うーん……まぁ、食べるって言葉はあながち間違っていないと思うけど〜……」

 
 歯切れの悪いフィーさんは、やがて諦めたように「Aちゃん」と言って私の顔を見つめた。


 「ごめんなさい、残念ながらどうやっても私には助けてあげられないけど……心を強く持ってね」
 「えっ、そんな精神削れる何かなんですか?……ホラーゲームとか?」
 「わからないけど、大丈夫じゃないかしら。なかむ様はそんなに酷いことはなさらないって聞くし……天井のシミを数えてれば終わると思うわ」
 「えっ、なかむ様そんなことさせるために私を呼んだんですか?怖……」
 「あ、でもカティアちゃんがシミなんて見逃してるはずないかしら〜……?」
 「えっ、カティアさんって天井にまで気を配ってるんですか……!?」
 

 と、そんな会話をしていると、あっという間に時刻は10時に近づく。遅刻する方がヤバいということで、慌てて私はなかむ様の部屋へと向かった。

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すみれ - 続編おめでとうございます!この作品とても好きです! (2022年10月23日 21時) (レス) @page2 id: a70cb7c9e5 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - あの、ちょいちょき面白くてクスッと笑ってしまう所がありとても好きなお話です。これから続きを読んできます! (2022年7月19日 21時) (レス) @page50 id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
まほ(プロフ) - めっちゃこの小説が大好きで、この小説を読むでいる時間が一番幸せです(^-^)これからもよろしくお願いします (2021年9月16日 16時) (レス) id: dab527b906 (このIDを非表示/違反報告)
サンセットマリン - スカ一さん» はい、大丈夫です。よろしくお願いいたします。 (2021年9月16日 6時) (レス) id: 58697e3d5e (このIDを非表示/違反報告)
スカ一(プロフ) - サンセットマリンさん» おはようございます、お世話になっております。ご了承頂きありがとうございます。では、今回の件はこれにて終了とさせて頂きたく思います。また、作者名、作品名を伏せて事の経緯の説明を当方の作品内でさせて頂いてもよろしいでしょうか? (2021年9月16日 6時) (レス) id: c3f5308968 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:サンセットマリン | 作成日時:2021年9月7日 18時

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