Vindemiatrix/2 ページ4
あんずちゃんから貰った絆創膏を貼っていると、3人の生徒がやってきた。
「あんず〜!!こんな所にいた!!」
「明星くんっ!!待ってよ〜!!」
「おい、二人とも。廊下は走るな。」
2年生を示す青色のネクタイをつけている。一人目は快活そうな、ふわふわなオレンジの髪をした元気な男の子。二人目は金髪の青い眼鏡の男の子。三人目は几帳面そうな、黒髪の男の子だ。
「あっ…ごめんなさい。A先輩を探していて…」
あんずちゃんの紹介によると、オレンジの髪の子は『明星スバル』、眼鏡の子は『遊木真』、黒髪の男の子は『氷鷹北斗』、と言うらしい。
「へぇ〜、あんずちゃんの友達?」
「そうだよっ!!俺たちはあんずの友達!!」
胸をドン、と叩いて笑う明星くん。初対面で、(向こうはプロデューサー第一号として知っているだろうけれど)しかも先輩なんだけどなぁ。突然タメ口かぁ。…なんちゃって。こういう子、私は大好きだよ。
「お友達も来たところで、ここらへんでいいかな?」
「はいっ!ありがとうございました!これからよろしくお願いします!!」
そう言って頭を下げるあんずちゃん。礼儀正しいんだなぁ。なんて思いながら立ち上がり、あんずちゃんとあんずちゃんの友達3人に手を振る。
転校初日で友達が3人も出来るなんて、良かったね。あんずちゃん。
それに…あんずちゃんには可能性が見える。何かを変えてしまえるような可能性が。
「これから、楽しくなるといいなぁ」
廊下に、私のちょっとした独り言が響いた。
_引っ込み思案に秘めたる輝き_
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作者名:kairi | 作成日時:2018年11月26日 21時