撒いた憂 ページ13
渾身の愛を込めて、すぐ顔の近くにあった奴の耳を喰いちぎってあげる。
「……あーあ。
せっかくチャンスあげたのになぁ」
ヨロヨロと弱々しく遠ざかった旧多。
その隙に椅子と繋がった鎖を壊して
身動きが取れるようにした。
いやぁ、喰種の力って便利。
「……なんで、」
彼の俯いた顔からは、透明な雫が沢山零れ落ちた。
「なんで……なんでそんなに……っ、」
「なんでそんなにボクをムラムラさせるんですかねぇッ!♡!!♡」
「犬みたいに涎垂れ流してんじゃねえですよキモいなぁ」
「〜ッッああぁその蔑んだカオさいっっこう!!!調教してボクがいないと死ぬぐらい依存させて屈服させてぇ!!」
「頭大丈夫ですか…」
こんな会話してるけど、
相変わらずこの人は強すぎる。
一撃が重いし、まず動きが速いのに加え
予想外で全く読めない。
「ブフッ、そんなAサンもだぁーいすきですよぉ!」
「そんなに私が好きなら攻撃しないでくれると有難いんですけどねぇ」
そして、気になっていた疑問をぶつける。
「っていうか、アンタも喰種なんだから
クインケじゃなくて赫子使えばっ!」
「あははっ!気付いてたんですかぁ!」
「そりゃあね」
私の赫子が相手の頬に掠ったと思えば
相手のクインケが私の腕を貫通する。
私はこんなに必死に飛び回っているのに、
相手はほぼ同じ位置から動いていない。
「ブフフッ嬉しいなぁ嬉しいなぁ」
「…っ」
「ん〜でも、気付いてたのというよりは…思い出したのっていう方が正しいですかねぇ」
「、は?」
「すこぉ〜し惜しいです」
気を取られて、私は床に強く押し倒された。
「ボク、そんなにメンタル強い方じゃないんでね〜…っと」
けれど、
「__…ねぇ、まだ思い出さないの?
A」
いつもキスだけは決まって
悲しいほどに優しかった。
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←棘が降る
170人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
鏡華(プロフ) - 更新待ってます! (2019年8月1日 18時) (レス) id: 529e6aac76 (このIDを非表示/違反報告)
ほのぼの(プロフ) - 面白かったです!更新再開楽しみにしています。 (2018年11月6日 1時) (レス) id: d6d9a7169d (このIDを非表示/違反報告)
糸こんにゃく(プロフ) - 面白かったです 作者様がこの作品のことを忘れてないことを願います (2018年9月24日 7時) (レス) id: 0a0cb51868 (このIDを非表示/違反報告)
イゼッタ(プロフ) - 好きです更新してくださいm(_ _)m (2018年8月20日 4時) (レス) id: 1f346eff48 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま(プロフ) - この作品好きです!更新頑張ってください! (2018年7月13日 22時) (レス) id: 475c11c433 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:透夏 | 作成日時:2018年7月1日 17時