後悔を噛み潰す ページ11
倒しても、倒しても倒しても、
それは洪水の様に溢れ出てくる大量の喰種。
「どれだけ居るんだ…っ」
17階にいてもこの有様ということは、
下の階はもっと悲惨なのか。
_ぎゃあぁあッ!!
_ひぇっ、たっ助げてぇえっ
喰種か人間かも分からない悲鳴があちこちに飛び交う。
まだ十分も経っていないというのにもう全身血だらけで、鉄の匂いにむせ返りそうだ。
「(CCGが、押されてる…!)」
現在局内にいる捜査官よりも、
圧倒的に喰種の数の方が多い。
しかも、よりによって今日は
比較的階級の高い捜査官たちが他の地区に捜査に出ているから、こっちの勢力は弱い。
「(せめて、有馬さんが帰ってくるまで、
抑えられるか…っ?)」
クインケだけじゃ限界で、ついには赫子を出さないと追いつけない始末。
これは思った以上に厳しい状況だ。
「(にしても、いきなり本局を、しかも爆発で正面玄関から強行突破って……どれだけ大胆な作戦だ)」
「(…この喰種たちは、何が目的なのか?)」
わざわざハイリスクを犯してまで、
成し遂げたいものとは?
「(……っ、でもまあ、)」
_しっ、しねしねしねしねえぇぇええっッ!
_ぐああ"ぁアァああ!!
「(今は一旦、考えるのをやめよう)」
きっとこの喰種組織は、ブラッティベールと見て間違いない。
そうともなれば、全てが未詳の組織のことなんて、考えるだけ無駄だ。
今は倒すことだけに集中しなくては。
クインケを握り直し、赫子を大きく伸ばす。
「(_何が目的でも)」
「こんなやり方、間違ってる…ッ!」
(___また、テオクレになっちゃうよ?)
何処かで、笑い声が響いた気がした。
.
.
.
___暫くして二回目の爆発が起こり、
それが合図かのように、
喰種は一瞬にして退散して行った。
ほぼ推定Aレート以上の喰種との接戦時間は
わずか一時間にも満たなかったものであったが、
捜査官の被害者数は、その場にいた人数の七割に達してしまった。
だが、生存者はもちろん、負傷又は死亡した捜査官らも全員漏れなく局内に存在しており、
死亡者も体と名前が一致出来るような状態で綺麗に亡くなっていた。
しかしそんな中__
「おい誰か!!
A准特等を見たやつはいるか!?」
「旧多一等とも連絡がつきません!!」
Aちゃんと旧多さんが
行方不明となった。
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鏡華(プロフ) - 更新待ってます! (2019年8月1日 18時) (レス) id: 529e6aac76 (このIDを非表示/違反報告)
ほのぼの(プロフ) - 面白かったです!更新再開楽しみにしています。 (2018年11月6日 1時) (レス) id: d6d9a7169d (このIDを非表示/違反報告)
糸こんにゃく(プロフ) - 面白かったです 作者様がこの作品のことを忘れてないことを願います (2018年9月24日 7時) (レス) id: 0a0cb51868 (このIDを非表示/違反報告)
イゼッタ(プロフ) - 好きです更新してくださいm(_ _)m (2018年8月20日 4時) (レス) id: 1f346eff48 (このIDを非表示/違反報告)
ゆきだるま(プロフ) - この作品好きです!更新頑張ってください! (2018年7月13日 22時) (レス) id: 475c11c433 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:透夏 | 作成日時:2018年7月1日 17時