p e r f e c t _ 5 (ページ5)

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西島くんが、一緒に住もうと言ってくれて
気持ちは嬉しかったし、
西島くんと入れる時間が増えるなら、と思った。

けれど、

少しだけ、帰ってきた時の西島くんの様子がおかしかったのは、私の勘違いだったんだろうか。

それが気になったけど、
その後のことは、いつもと変わりなかったし、
きっと私の勘違いなんだろうな、なんて
この時は思っていたんだ。

＊＊＊

「西島くん、そろそろ起きないと。」

西「おきてる、」

「はやく、準備して、」

西「わかってるよー…、」

一緒に住もう、なんて言われて
すぐに引っ越してくるなんてことは
もちろんできなかったし、

必要なものから、少しずつ移動したり、
いらないものは処分したり、

実際、私だって今の部屋に引っ越してきたのも
本当に最近だったからものだって、あまりない。

そんな中、今日から富士急ライブのリハーサルのために、
事務所に集まる予定だったのだが、
朝の弱い西島くんを起こすのも精一杯。

ただ、

西「ねぇ、俺の荷物どこだっけ、」

「昨日玄関に自分で置いてたじゃん。」

西「あれ、…あ、そうだった。」

「寝ぼけてんのー？」

西「ちがう、わすれてただけ、」

朝に弱い西島くんを見るのは嫌いじゃない。

あんまり本人に言うのと、
嫌な顔されるから、言わないでおくけど。

ステージの上で、あんなにファン向けに
カッコつけてる西島くんなのに、

「…口に歯磨き粉ついてる。」

西「うるひゃいなーまだあらってんだよー、」

「ふふ、」

西「わらってんじゃねーぞ、とばすからなぁ」

「やだよ、こっち向かないで！」

西「あ！にげんなよー！」

リハーサルだから、と特に髪もセットしないまま
忘れ物ない？なんて、聞きながら
荷物を持って玄関を出る。

いろんな不安もあったりしたけど、
はじめての、単独での野外ライブだから、
スタッフの私たちが不安がってても仕方ない、

私たちが想像する以上のものを、

西「たのしみだなぁ～」

彼らは、成し遂げてくれるから。

「みんな怪我なくいてくれることが一番です。」

西「それは、俺たちだけじゃないでしょ。」

「まぁね。十分に気をつけます。だから、西島くんたちもね、」

西「もちろん。だけど、精一杯やってやるんだからな。」

それを、私は見守りたいだけ。
彼から歩む、その姿を。

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