ま ざ こ ん ご じ ょ ー。【五条悟】

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俺がキレた事に周りはビクリと肩を揺らし俺を見た。気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い。母さん以外の全ての声が気持ち悪く感じる。

甘ったるい声で俺の名前を呼ばないでほしい。対して仲良くもないのに俺の名前を気安く呼ばないでほしい。教師だからって勝手に俺を怒らないでほしい。

俺を叱って良いのも、俺に笑い掛けて良いのも、全部全部母さんだけが許されてるのに。学習しない塵以下が、なんで、なんで俺と同じ場所に、



「もう我慢出来ない！親御さんに連絡させて貰うわ！悟君、貴方の態度は周りを傷つけてるの！どうしてそれが理解できないのよ！」


(…雑魚がなんか言ってる。)



目の前でキーキーと雑音を鳴らす教師に、人語喋れよと言いたくなった。だがこれ以上騒ぎを起こせばこのクラスだけ授業参観中止とかになるかもしれない。いや、流石にそれは無いか。

未だに何かを叫ぶ教師を無視して自分の席に座れば、泣いていた女が俺の隣の席に座った。あぁ、そういやコイツ俺の隣の席だったっけ。興味無くて全然知らなかったなと思い女をチラリと見れば、相手も俺を見ていたのかバチリと目が合った。

そしてその瞬間頬を赤く染めて勢いよく顔を逸らされた。



(何コイツ、俺に惚れてんの？)



あんだけ暴言吐かれたのに俺見て顔赤くするとかないわ、と嘲笑しながら窓の外を見つめた。早く午後にならないだろうか。午後になれば母さんが俺のデキる所を見てくれるのに。

頭を抱えながら机にダラリと寄り掛かる。横で女が先生の話聞かないとダメだとか言ってるけど聞いても意味ないから聞かないとごちゃごちゃ煩いソイツも無視した。耳を塞いで、雑音が聞こえない様に。

母さん、ねぇ助けて。俺、コイツらのせいで頭可笑しくなりそうだよ。俺を優しく抱き締めて頭を撫でてコイツらの汚い声を上書きして塗り潰して母さんの声で、匂いで俺の全部を母さんで染めて。

午後は母さんと過ごす時間をあと半分だと告げている様に感じてあれだけ嫌っていたのに、今は午後が凄く待ち遠しかった。


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