黄緑担当です。10

○With mafutuki ページ44

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黒マスクをしながら、
安売りしていた卵や醤油を買って、

電車で乗り換えをしていると、
いかにも白色の目立つ髪色をしている人がいた。


「(もしかして…でも間違えたらどうしよう)」


すぐにそうやって有名人に例えるのはやめよう

そう思っても一応話し掛けた方が良いかなと思い、
一度深呼吸をしてからその人を追い掛ける。

俺よりも背高いし、もしも間違えたら
人違いって言って謝れば大丈夫だろう。

相手には悪いが。


「あっ……あの！」


「わぁっ！え？僕？」


歌でも実写でも聞いたこの声、良かった。

まふまふさんだった。

ていうか、今思いっきり裏返ったし
まふまふさん驚かせてしまったし、

何か色々と申し訳ない。


まふまふさんは驚きながらも
自分の事を指差していた。


「って、なんだぁ…きみくんかぁ」


「こここ、こんにちは！」


「うん！こんにちは」


緊張して噛みまくっている俺に
まふまふさんはクスリと笑いながら

挨拶を返してくれた。

返してくれたのは良いけど、
それより顔が良い。

マスクなのにオーラが輝いて見える。


「きみくんは買い物？」


「はっ、はい！ちょっと夜ご飯を…
卵とか醤油が安売りしていたので」


なんて見栄を張って言っても、
卵かけご飯くらいしか得意料理ないし、

これを気に料理をしてみようと
レシピも見て作っているけど

調理器具とか豊富じゃないし、
全然分からないんだよなぁ…。


「きみくんって節約家なんだね
上手く家計をやりくりしてそう！」


「あっ……ははははは」


まふまふさん、すっごい笑顔！

普通に節約家では無いんです…！
めちゃくちゃ申し訳ない。

ほんとにごめんなさい。と心の中で謝る。


「あ、きみくん。この後ヒマ？」


「えっ！？あ、はい！？ヒマです！」


咄嗟に暇って言ったけど、
別にこれといった予定はないし……。

また声が裏返ったの恥ずかしい。


「プリン作るんだけど一緒にどう？」


とまふまふさんが見せたのは
バケツやプリンの素と牛乳と茶碗蒸しだった。

……バケツ？

まふまふさんともう一度顔を合わせると
微笑みながら少しだけ首を傾げている。


「バケツプリン作るんですか？」


「うん！

ずっと前に、天月くんと一緒に
プリン100倍で作ったんだけど

結構ボリュームあったし、
動画じゃないから40倍くらいで良いかなって」


動画見たわ。

美味そうだったからプッチンプリン買って
食いながら見てたの良い思い出。

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