黄緑担当です。 (ページ39)

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無事何も事件は起きずに
プリクラは終了した。

きみくんが
「そのプリクラ見てみたかったなー」
って言ってたのは、

敢えて聞かないでおいた。

「次は俺彼処行きたい！」

きみくんが指を差したのは
UFOキャッチャー。

私が答える前にきみくんは

走ってUFOキャッチャーの方へ
向かっていった。

慌ててきみくんを追い掛ける。

ななもりくんやさとみくんって

何時もこんなきみくんを
対応してるのか。

改めてあの二人ってスゴいな。

「あれ？どしたのきみくん」

「UFOキャッチャーでお金使ったら
全財産失いそうだからやめた

暇になったから金魚見に行こうか」

「いやいや何をどうしたらそうなった」

前回もだけど何故出掛けるのに
金魚を見に行くんだ。

どんだけ金魚好きなんだコイツ。

「遠井さん早くしてよー」

いつの間にか
私より先に歩いていたきみくんは

大声で私に呼び掛ける。

「ちょ、きみくん早い！」

っていうか此処公共の場だぞ。
何で怒られないんだよアイツは。

普通に店内走り回ってるし。

「金魚専門店があるんだよ。
餌とか金魚がいるんだ」

「へえー…そ、そういう店あるんだ……」

ヤバい…。全然頭に入ってこない。

コイツ本当に金魚好きなんだな。

何時か恋人が金魚とか
本格的に頭可笑しいこと言いそう。

まぁ今も頭可笑しいこと言ってるんだけど…。

「そういえばね。
俺金魚同好部っていう部活
立ち上げてるんだけど」

「誰も入らなそうな部だな

部員もどうせきみくんしかいないんでしょ？」

面倒臭くなってちょっとダルそうに言うと

「部員は俺とさとみくん」と
ドヤ顔で返される。

…あれ、前入ってないとか
言ってなかったっけ。

きみくんが歩くのを止めると
着いたのかなと思い、
そのお店を見る。

「…あ、今日やってないんだった」

「さっきの時間返せよ」

―――――――

最後に見たいお店があると
きみくんが目指すお店に来る。

……何か凄いシンプルだな…。

普段頭可笑しいことしか言わない
きみくんでもこういう店来るんだ…｡

「今月ジェルくんの誕生日あるでしょ？

その為に色々見ておきたいんだ」

アイツの誕生日はまだ先だぞ
って言おうと思ったけど、

真剣にそのプレゼントを選んでいる
きみくんの姿を見詰める。

「(普段変なこと言ってるけど

本当はきみくんって
凄い友達思いなんだよなあ…)」