本当の仲間は知っている

悠飛の考え ページ11

悠飛は私たちを見渡した。


「あいつらは、エリート集団だろ？
　だから、秀明に行ってる彩は、学力で差をつけて、見返すってのは？」



悠飛の意見に誰よりも早く菜穂が反応する。

「良いわね！
　それにプラスして探偵としても勝負しない？」


その意見に誰も反論しなかった。

悠飛は自信満々に笑う。

「じゃ、決まりだな。」



皆の目がイキイキしてて、反対する気になれなかった。

もともと反対するつもりないけどね！



えっと、こういう時はリーダーの私がまとめた方が良いよね。

「明日から学力を上げよう。
　皆で猛特訓するの。

　探偵対決はそのあとでどう？」


私の言葉にマリンは目を丸くした。

「は？まさか私たちもやるのか？！」


マリンの言葉にこっくり頷く。

だって、みんなでやった方が楽しいもの。



ゲンナリしていたけどお構いなし！

それから、私たちは、猛特訓したんだ。



目標は毎日最低でも4時間勉強。

分からないところはお互いに聞いたりするの。



砂原や悠飛、菜穂は教え方がとても上手で、私でもスラスラと解けたんだ！

そして、そんな努力を1ヶ月続けると、中学1年生の私たちは、中学2年生の勉強は出来るようになった。



でも、ケアレスミスなどは、何年生になろうと関係ないから、気をつけなきゃ。




一気に詰め込んだせいか、みんなヘトヘト。

私は少なからずとも、クマが出来ていたんだ。




はぁ、努力ってやっぱり大変だなぁ。

呑気なことを考えながら、ふとカレンダーを見た。




再来週のところに赤丸がつけてある。

そこには、こう書いてあったんだ。


“定期テスト”


ベッドに寝っ転がっていたところを飛び上がる。



忘れてた！！

慌てて、机に向き合い、テキストとノートを開いた。



定期テストは絶対に失敗出来ないの。

実力でKZに勝つんだから……！





メラメラと心を燃やし、シャーペンを走らせた。

頑張れ！私！





そんなこんなで日は沈み、月が上がる。

そろそろ寝た方が良いよね……。



ベッドに入り、天井を見上げた。


私……なんで、こんなに頑張っているんだろう。

別にKZに復讐したいわけじゃないのに。




何か変な気がする。

そう思いつつも、頭を振った。


いいや、フレンドを裏切らないように頑張るんだ。


KZを負かして、私が舞台の光を浴びてやる！




私は……間違ってないよね？


不穏な感情を胸に、目を閉じた。

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