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長いようで短かく、密度の濃かった体育祭が、ついに幕を閉じようとしている。あんなに晴れていた空も、だんだんと夕方のオレンジ色の空に変わりつつあった。
「それでは、これより！表彰式に移ります！」
スタジアムのフィールドに一堂に集められた全クラスの生徒がずらりと並んでいる。彼らの前にある表彰台の『3位』の場所からAはその光景を眺めていた。
「何アレ……」
うわぁ、と色んな人が顔を歪めているのがここからでもハッキリと分かる。
Aにはその気持ちが痛いほど分かった。なんなら彼らの方からこの表彰台を見たかったかもしれない。
……その中央でガチャガチャと音を立てて暴れている人の隣に立つの、めちゃくちゃ気まずいというか、やりにくいというか……
微妙な表情なのをAは隠すことが出来そうになかった。
あの後、プロヒーロー達が何とか爆豪を落ち着かせようとしていたが、プライドが高い爆豪がそんな言葉程度で落ち着く筈もなく、最終的には上の判断でセメントスが爆豪を捕縛し、授業で使う凶悪敵への拘束具をつけられて無理やり表彰台に立たされ……上げられていた。
「もはや悪鬼羅刹」
「これ、全国放送なのにいいのかな……」
ほぼ全身を拘束されているのに、未だに轟に向かって言葉が分からない叫び声を上げながらヘドバンを繰り返している。
……そしてとてもやめて欲しいのだが、何やらたまにAに対しても叫んでヘドバンをしているのだ。実にやめて欲しい。私は赤の他人のフリをして何事も無かったかのように終わらせたいのだ。巻き込むんじゃない。
有難い事に爆豪を無視してミッドナイトは主審として司会進行を続ける。
「メダル授与よ！！今年メダルを贈呈するのは、もちろんこの人！！」
「私が！メダルを持ってき」
「我らがヒーロー、オールマイトォ！！」
……なんというグダグダ具合。
ここでオールマイトがビシッと登場するはずなのに、思いっきり登場のセリフが被ったので「ええぇ〜……」みたいな空気が広がっている。
だがこんなことで止まるわけにも行かず、そのままメダル授与が行われた。
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さくらもち(プロフ) - 夢桜さん» 感想ありがとうございます。体育祭での準決勝は、何度も頭の中でシュミレーションしながら文を考えたので、そう言っていただけて本当に嬉しいです！お気に入りもありがとうございます！ (2020年10月19日 12時) (
レス) id: ab0ed3cc07 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - ご感想失礼します。吉澤ちゃんが轟戦でWonderlandと叫んだ瞬間と、その個性の威力にとても驚きました！！戦闘シーンも分かりやすくそんな模写が頭を過ぎって凄い凄いと語彙力が飛んでしまいました……！お気に入り失礼します。これからも無理せず頑張ってください！！ (2020年10月18日 10時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくらもち | 作成日時：2020年10月14日 7時
