８５ ページ39
「オイっ……ふっ！ふざけんなよ！！テメェ、こんなっ！こんなのっ……っ！！」
爆豪はフラフラと歩きながらも轟の所に移動し、轟が気絶しているのを確認したが、それを見た爆豪の顔に歓喜は浮かんでいなかった。
倒れていた轟の胸ぐらを掴みあげ、爆豪は心の内を叫ぶ。怒りのこもった叫び声の中には、どこか困惑しているようにも感じた。
勿論、気絶している相手に対してどんな理由があれど、胸ぐらを掴みあげるなんて行為、ヒーロー科に所属する生徒が行っていいものでは無い。
即座にミッドナイトの個性で爆豪は眠らされ、ミッドナイトによって爆豪の優勝を告げられた。
『以上で全ての競技が終了！！
今年度雄英体育祭1年優勝は――――
A組、爆豪勝己！！！！』
なんともまあ微妙な感じで決勝は幕を閉じたのだった。
あんな『無理やりその場を終わらせた』のだから、こうなるかもしれないとは思っていたのだけど……
「予想以上に酷い……」
あの後、気絶した轟とミッドナイトによって眠らされた爆豪が揃ってハンソーロボに保健室まで運ばれて治癒されていた。
限界を越してしまった轟はともかく、表彰式の時間には起きるようにと浅く眠らされていた爆豪は、起きてすぐに状況を把握。
近くのベッドに寝ている轟の胸ぐらを掴みあげようとしたところを慌ててAの個性で轟を回収。こんな所でも黒い手は役立ってしまった。
それを見ていた爆豪がさらに目を吊り上げ、
「あんな決着は認めねぇ！」
「再戦させろ！」
と暴れ始めてしまったのだ。
Aの方(目的は轟だろうが)にやってくるのをガードして時間を稼いでいると、リカバリーガールによってセメントス含めた何人ものプロヒーローが保健室に慌ててやってきてくれた。
そのまま爆豪の相手を代わってもらったのだが、決勝まで終わった後だと言うのに、プロヒーロー数人でようやく抑えられる程の見事な暴れっぷりに、Aは呆れを通り越して最早関心してしまった。
爆豪は轟に対してだけではなくAにも何かを叫んでいたが、暴れる音が大きくて何を言っていたのか分からなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
さくらもち(プロフ) - 夢桜さん» 感想ありがとうございます。体育祭での準決勝は、何度も頭の中でシュミレーションしながら文を考えたので、そう言っていただけて本当に嬉しいです！お気に入りもありがとうございます！ (2020年10月19日 12時) (
レス) id: ab0ed3cc07 (このIDを非表示/違反報告)
夢桜(プロフ) - ご感想失礼します。吉澤ちゃんが轟戦でWonderlandと叫んだ瞬間と、その個性の威力にとても驚きました！！戦闘シーンも分かりやすくそんな模写が頭を過ぎって凄い凄いと語彙力が飛んでしまいました……！お気に入り失礼します。これからも無理せず頑張ってください！！ (2020年10月18日 10時) (レス) id: 505f8e7c76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さくらもち | 作成日時：2020年10月14日 7時
