第三十六話 この世界に来る前も一緒だったのかもしれない ページ41
(ユウside)
私は、誰かの一番になったことが無かった。
別に、友達も居たし、家族も、暖かいご飯もあった。
だけど、所詮両親にとって私はただの飾りでしかなかった。
私の成績が高ければ高いほど世間的には“親の教育が良い”という評価になる。
私はただの道具でしかなかった。
私の成績が下がれば両親は私を学校以外外出禁じ、ずっと家で勉強をさせた。
成績が上がれば“次はもっと頑張ってね”と更に上を求められた。
それでも友達だけが私の救いだった。
だけど、ある日から始まった私へのいじめ。
殴られたり蹴られたりするわけでは無い。
ただ、一日中無視される。
まるでそこに居ないかのように扱われる。
友達からも私の存在を否定されたように思えた。
そうなった理由は今でも分からない。
ストレスが溜まったお蔭か、勿論テストの成績も下がった。
親は毎日私を叱った。
“どうしてこんなことも出来ないの？”
“期待してたのになぁ”
“残念だ”
配慮にもデリカシーにも欠けたその言葉は、私の心をえぐるのには充分すぎる程だった。
私に失望した両親は、今度は歳の離れた弟に期待を寄せるようになった。
小学生の弟は、私と違っていつもにこにこしていて愛想が良かった。
そして、当り前のように比べられた。
“弟さんのほうはあんなに可愛いのに”
“弟の方が出来が良いな”
昔から、私には親友と呼べる人も、優しい両親も居なかったようだ。
そんな毎日を送っていたら、この世界にとばされた。
私の知っている“常識”が一切通用しないこの世界。
この世界で、私は特別なんだ。
そう思ったのもつかの間だった。
入学式にお前、Aがいた。
私は隣にいた学園長に訊いた。
「あの子は女の子ですか？」
「ええ。そうですよ。彼女の魔法は大人も顔負けのものです。是非この学園へと呼び寄せたんですよ」
Aが闇の鏡の前に立つと、鏡が言った。
しかし、他とは様子が違った。
「汝は…どの寮にも相応しい」
その言葉を聞いて、Aは不満そうに、
『ふ〜ん』
とだけ答えた。
“どの寮にも相応しくない”私と、“どの寮にも相応しい”あんた。
結局、私は特別にはなれなかった。
悔しくて、悲しくて。
だから、あんたを嫌われ者にしたかった。
けど、結局無理だったみたい。
第三十七話 皆、自分が可愛くてしょうがないんだって→←第三十五話 飛び降り配信
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Yukimi(プロフ) - 優ちゃんも夢主ちゃんも夜森さんが考えなければ産まれなかった存在だから、操られてたんじゃなくて、夜森さんが考えた夢主ちゃんが本当の夢主ちゃんたちなのかなって。ごめんなさい、なんか意味分からんくなりましたね、3つめのコメント失礼しました (2月29日 4時) (
レス) id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukimi(プロフ) - 優ちゃん、辛いなあ。性格って環境で変わっちゃいますよね。愛されたいよね、いじめられっ子なんて尚更、何処かで優ちゃん幸せになって.... (2月29日 4時) (レス) id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukimi(プロフ) - 何もかもが好きすぎた作品でした。最後に色々と考えさせられてもう、ほんと、好きです。小説の良さを言いたいけど語彙力が無くて言えない私を殴りたい。自分忘れっぽいののか面白い小説読んでも忘れちゃうタイプなんです、この小説だけは忘れたくない... (2月29日 3時) (レス) @page47 id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
猫狗 - ずっと読みながらにやにやしてしまう僕はどれだけ性格悪いのだろう...((もう、言葉が出ないくらいしっくりきました…！くひひって笑い方いいな...((( (2023年3月7日 18時) (レス) @page49 id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - こうゆうのが読みたかったんですこういうのが！！！！！！！！！ (2023年2月22日 2時) (レス) @page47 id: 447cc165c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜守 | 作成日時：2020年8月6日 18時
