第三十七話 皆、自分が可愛くてしょうがないんだって ページ42
「へぇ、そ」
エースは少し悲しそうにそう言って、デュースは何も言わず俯いた。
「ねぇ、これであんたの誤解は晴れた！だから死なないで…！」
ユウが涙目で私に訴えた。
『何で？』
「何でって…」
『私は死ぬよ。今日ここで』
決めたんだから。
『私はお前らにされたことを忘れない。今誤解が晴れたから何？私は、君たちに一生罪悪感背負って生きててほしいんだよ』
マジカメのコメントも見る気になれない。
きっとすごいことになってるだろう。
ユウが小さく呟いた。
「エース、デュース、部活行っていいよ。二人とも部活あるのに来たんでしょう？二人で話したいの」
二人は何か言いたそうだったが、何も言わず去って行った。
『二人で話したい？話すことなんて何もないでしょ？』
するとユウは俯いていた顔を上げた。
「私はさ、あんたを嫌われ者にしたかった」
『そんぐらい知ってるよ』
私が言うとユウは続けた。
「人ってね、知らないものに対して自然と好奇心と共に恐怖が芽生えるの。だから、それの事を知ろうとするんだけど」
ユウはまるで子供におとぎ話を聞かせるようにゆっくりと話した。
「もし、それを知る事が出来なかったら。数少ない知っている情報でなんとか自分を安心させようとして自分の頭で捏造しちゃうの」
『捏造、ねぇ』
「それが噂の作り方の一つ。ふふ、バカみたいだよね。自分を安心させるために自分に嘘を吐くなんて」
ユウは楽しそうに笑った。
『で、私の根も葉もない噂が広まった、と』
「そう。結局どこの世界でも一緒だったの。どこの世界でも人なんて皆一緒だったの」
またユウは悲しそうに俯いた。
「だってあんたも可笑しいと思わなかった？」
『何が？』
「だって、ここは魔法士名門校だよ？自白させる魔法くらい一人くらい使ってるはずでしょ？」
うん、分かってたよ。
「でも、誰も噂が本当か確かめようとしない。だって、自分が正しいって信じたかったから」
ユウは静かに息を吐いた。
第三十八話 明日にはもう忘れてる→←第三十六話 この世界に来る前も一緒だったのかもしれない
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Yukimi(プロフ) - 優ちゃんも夢主ちゃんも夜森さんが考えなければ産まれなかった存在だから、操られてたんじゃなくて、夜森さんが考えた夢主ちゃんが本当の夢主ちゃんたちなのかなって。ごめんなさい、なんか意味分からんくなりましたね、3つめのコメント失礼しました (2月29日 4時) (
レス) id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukimi(プロフ) - 優ちゃん、辛いなあ。性格って環境で変わっちゃいますよね。愛されたいよね、いじめられっ子なんて尚更、何処かで優ちゃん幸せになって.... (2月29日 4時) (レス) id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukimi(プロフ) - 何もかもが好きすぎた作品でした。最後に色々と考えさせられてもう、ほんと、好きです。小説の良さを言いたいけど語彙力が無くて言えない私を殴りたい。自分忘れっぽいののか面白い小説読んでも忘れちゃうタイプなんです、この小説だけは忘れたくない... (2月29日 3時) (レス) @page47 id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
猫狗 - ずっと読みながらにやにやしてしまう僕はどれだけ性格悪いのだろう...((もう、言葉が出ないくらいしっくりきました…！くひひって笑い方いいな...((( (2023年3月7日 18時) (レス) @page49 id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - こうゆうのが読みたかったんですこういうのが！！！！！！！！！ (2023年2月22日 2時) (レス) @page47 id: 447cc165c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜守 | 作成日時：2020年8月6日 18時
