第三十五話 今日で終わりにしようと思って ページ39
イグニハイドから自分の寮へ帰宅し、その後軽食を取ってすぐに寝た。
朝、眠い目を擦りながら教室へ入るとまたユウがつっかかってきた。
目に涙をいっぱいためてユウが言う。
「ねぇAちゃん、昨日のは流石にだめだよ…。すごく苦しかったんだよ…？」
無論私は何もしていない。
そもそも昨日は会話すらしていない。
だがエースとデュースはその根拠も無い戯言を信じてしまう。
「毎回毎回きりが無いな」
「ほんと、ユウの優しさに甘えるなっての」
涙目のユウと、しかめっ面の二人。
なんかもう、このやりとりも飽きてきたな。
「おい、なんとか言えって」
『あぁ、うん。でもなんかもう、どうでもよくなってきちゃってさ』
私は三人に向かっていつものように笑顔を向けた。
「いや、お前がどうでも良くてもユウが困ってるだろ」
デュースが眉間にしわを寄せた。
『へぇ、そっか』
私がそんな面白みも何もない返事を返すと丁度授業開始を知らせるベルが鳴った。
「やっべ」と慌てて三人は各自席に戻っていった。
ボーっと窓の外を眺める。
空は青空なのに雨が降っていた。
これを日本では狐の嫁入りといっていた。
いや、狸だったかも…？あ、ネズミだったっけ…？
よく分からんが、今私がつまらん授業をうけている今、天空では動物が結婚式を挙げているのだという。
なんともおめでたいことだ。
出来る事ならばこんな授業もほったらかして祝いに行ってやりたいくらいだ。
あ、じゃあ祝いに行けばいいのか。
放課後からの途中参加でも式はやっているだろうか。
丁度飽きてきていた頃だったんだ。
ユウ達へのやり返しもできるし、一石二鳥だ。
ってことで今日、私はこの人生をやめようと思う。
特に変わったことも面白いこともなく、放課後になった。
私は遺書も書いていないし、このことは誰にも言っていない。
私はただスマホだけを片手に学園で一番高い場所へ足を運んだ。
鏡の間のさらに上。
部屋ではない、基本的に誰も居ない。
屋上、のようなものだ。
屋根はあるが。
何の為にあるのかも知らない。
外が見えるようになっているから、とても外の景色が綺麗に見える。
そして私はカメラモードにしたスマホを掲げた。
背景の空が見えるように。
スマホに向かって私は笑って言う。
『ど〜もこんにちわ〜！突然だけど、今から死のうと思いま〜す！』
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Yukimi(プロフ) - 優ちゃんも夢主ちゃんも夜森さんが考えなければ産まれなかった存在だから、操られてたんじゃなくて、夜森さんが考えた夢主ちゃんが本当の夢主ちゃんたちなのかなって。ごめんなさい、なんか意味分からんくなりましたね、3つめのコメント失礼しました (2月29日 4時) (
レス) id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukimi(プロフ) - 優ちゃん、辛いなあ。性格って環境で変わっちゃいますよね。愛されたいよね、いじめられっ子なんて尚更、何処かで優ちゃん幸せになって.... (2月29日 4時) (レス) id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
Yukimi(プロフ) - 何もかもが好きすぎた作品でした。最後に色々と考えさせられてもう、ほんと、好きです。小説の良さを言いたいけど語彙力が無くて言えない私を殴りたい。自分忘れっぽいののか面白い小説読んでも忘れちゃうタイプなんです、この小説だけは忘れたくない... (2月29日 3時) (レス) @page47 id: 19b20bd6d2 (このIDを非表示/違反報告)
猫狗 - ずっと読みながらにやにやしてしまう僕はどれだけ性格悪いのだろう...((もう、言葉が出ないくらいしっくりきました…！くひひって笑い方いいな...((( (2023年3月7日 18時) (レス) @page49 id: a2b9d0ac16 (このIDを非表示/違反報告)
柚葉(プロフ) - こうゆうのが読みたかったんですこういうのが！！！！！！！！！ (2023年2月22日 2時) (レス) @page47 id: 447cc165c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夜守 | 作成日時：2020年8月6日 18時
