prologue ページ1
目の前に広がる光景。
それは少年と少女が数十人の大人に囲まれていた。
少女は何かに怯えるように。
少年は少女を守るように右手に持つ剣を強く握る。
「抵抗をやめ、大人しく彼女を渡しなさい」
一人の大人が少年達に向かって告げる。
その表情は気持ち悪いくらい不気味に微笑んでいた。
「嫌だっ!!誰がお前らなんかに×××を、巫女の力を渡すものかっ！」
少年は剣を構える。
少年が守っている彼女は巫女の力というものを宿しているらしい。
「……×××ここから逃げて。」
少女がゆっくりと少年の前に出る。
少年は驚いた。
大人達はさらに不気味な表情(ｶｵ)で少女を見る。
「駄目だ。それだとお前の命が危ない」
「大丈夫。この力、あいつらの思い通りにはさせない。それに、二人とも捕まったら意味がないよ」
「………分かった。必ず助けに行くから」
少年の言葉を聞き、少女は笑顔を一瞬だけ見せた。
そして、両手を前に出した。
「……葉の嵐[ﾘｰﾌｽﾄｰﾑ]」
少女が呟く。すると、地面から無数の蔦が伸び、大人達の足に絡まる。
少年はそれを狙っていたかのようにその場から逃げる。
しかし、少女は逃げようとしない。いや、逃げることが出来ないのだった。
蔦を自分の思うように操る代償━━━……それは自分も動けなくなること。
だから少女は逃げれなかった。
逃げていく少年を見届けた後、蔦はゆっくり地面に還る。
そして少女はその場に座りこむ。
「へぇ。彼を逃がして自分を犠牲にするんだ」
さっきの少年とは違う穏やかな少年の声。クスクス笑いながらそれは姿を現した。
「家族同然である彼を思う気持ち……同情するよ」
何かを言いたそうに少年を睨み付ける少女。
しかし、彼女には言葉を発する気力が無かった。
「安心して。彼は自分から俺達のところへ協力しに来る」
「っ！そんなこと……絶対に無い！」
言葉を発する気力が無い少女。
しかし、少年が告げた言葉を否定した。
それぐらい少女は逃げた少年を信頼していた。
「もちろん、彼自身は嫌々来るだろうけどね。……さて、そろそろ君の体力が限界だろう。あんなに力を使ったんだからね」
すると、少女はその場にうずくまり、意識を失った。
少年はしゃがんで少女の髪に触れる。
「運命というものは常に残酷なものだね」
その言葉は少女に対して言ったのか、自分に対して言ったのか、それは本人しか分からなかった。
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小日向紫音@夜空煉(プロフ) - ☆juna☆さん» ありがとうございます！受験ご一段落ついたら更新再開しますね！！ (2014年12月21日 19時) (
レス) id: fc457a3960 (このIDを非表示/違反報告)
☆juna☆ - 今後の展開楽しみに待ってます！！ 頑張ってください！ っあ、でも無理はしないでくださいね(´▽｀) (2014年12月20日 19時) (レス) id: 6cf821ec23 (このIDを非表示/違反報告)
小日向紫音@夜空煉(プロフ) - 風丸一夜さん» ありがとうございます！頑張ります(｀・ω・´) (2014年8月21日 20時) (レス) id: fc457a3960 (このIDを非表示/違反報告)
風丸一夜(プロフ) - 今後の展開、及び紫音さんの力量に期待しております！頑張って下さい！ (2014年8月21日 20時) (レス) id: 781f6b398a (このIDを非表示/違反報告)
小日向紫音@夜空煉(プロフ) - 風丸一夜さん» 悪魔編から読んでくださってありがとうございます！良い作品だなんて…！感謝感激です(*´ω`*)終わる時はきますが正直言うとまだまだって感じです(^-^;)ですが、それまでの間にほのぼのしたシーンもちゃんと用意してあるので！←質問の答えになってなくてすみません。 (2014年8月21日 19時) (レス) id: fc457a3960 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：小日向 紫音 | 作成日時：2014年8月21日 18時
