泣き顔マニア ２

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うう……、気分が重い。

先輩とあんなことになっちゃって
顔を合わせずらい…けど、会わないわけにもいかないし。

こういう時、同じ会社って厄介だなぁ…。






「おーす」


「あ、おっ、おはよう、ございます…っ」





いきなり会社の入口のとこで声をかけられて
思わずどもってしまって焦ってしまう。




「ぷっ、変な顔」


「な…っ！」




へ、変な顔って…！！

無意識にムッとしちゃってると
柔らかく笑ってからポンっと背中を押された。





「また今日からよろしくな、後輩」


「…………はい、」





"後輩"って言葉にズキっと胸が痛む。

いや、ずっと私は先輩の後輩だけど
"好きな子"から、"ただの後輩"に戻ったことを示してるんだと思うから。





「今日の会議資料、午後までにな」


「えっ、午後まで？！」


「ふっふっふ」


「無理ですよ〜っ！」





無茶な仕事だけど、なんだかんだで手伝ってくれるし
こうやって話をするのもいつも通り………、なはずなのにな。

やっぱりどこか違うのは
私のせいだ。





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＊＊＊＊＊


「ねぇA」


「ん？」





先輩に頼まれた仕事を必死でこなしていると
いつの間にか私のデスクのとこまで来てた裕太が
立ちながら声をかけてきた。





「元気？」


「へ？」


「元気か、って聞いてるの」


「え、あ、うん、元気……だけど……？」





そういえば
私とのことを考えてみる、って裕太に言われてから
今日初めて会うんだっけ。

でもなんで急にそんな質問を……、






「本当に元気？」


「うん……、なに？どうしたの？」





元気か、と聞かれると
正直元気なわけではないんだけど。

元気なフリでもして仕事をこなしてないと
やってらんない気持ちなんだもん。

でもそこは裕太には隠す。
先輩へのモヤモヤを悟られるのが嫌だったから。





「ご飯行こうよ、今日仕事おわったら」


「いいね、行きたい」


「おし、じゃあ店決めとく」





ふにゃって安心したように笑顔になった。

その笑顔ひとつでまた
私はキュンとしてる……。

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