泣き顔マニア ２

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先輩に繋がれた手を解けなくて
あったかいその手に包まれてた。

ニヤケを抑えきれてない顔も可愛くて
こっちまでニヤケちゃいそうになっちゃうのはどうしてなんだろ。





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「お部屋、広いですね」


「そ？普通だよ」





そして到着した先輩のお家。

さっき私が大人しかったから調子に乗ったのか
車に乗ってからも手を繋いでこようとしてたから
片手運転はダメです！ってさすがにそれは断った。

ということがあって、若干不貞腐れてる先輩だけど。





「ほーら、ハンバーグ作りますよっ」





機嫌を直してもらおうと挽き肉を取り出してそう言うと
チラッと私を見て、挽き肉よりも私の手をガン見。





「じゃあ手洗お」


「あ、はい、それはもちろん」


「一緒にな」


「一緒に？一緒にってどういう、

「こうやって」


「ぎゃっ、！///」





両手をぐいんと引っ張られながら洗面所に連れてかれて
そのまま絡め取られるような指先。

そこにハンドソープを垂らすもんだから
ぬるぬるするし、そのぬるぬるを楽しむように洗われるし。





「な、なんのプレイですか、これ……///」


「んふふ、よし、ハンバーグ作っか」




ようやく満足してくれたらしい先輩は
上機嫌でまたキッチンへと戻っていった。

残された私はやけに綺麗になった手を見つめながら
初っ端からこんな感じで大丈夫なんだろうか、と不安に駆られていた。






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「ほぉ〜、随分いびつな形のハンバーグ」




集中出来ないから、と先輩をリビングに押しやって
ようやく焼きあがったハンバーグ。

それを見た先輩の一言目が失礼すぎる件。




「……ハートの形なんですけど」


「え、どこが？」


「もうっ！食べないでくださいっ！」


「うそだよ、うそうそ！
ハートにしか見えない！むしろハート以外なんだってんだよな？！」


「………」




まぁいいけど。
私も私でなにハートの形でなんか作っちゃってんだろって思ったし。

ハートかぁ〜って改めて実感したのか
嬉しそうにカウンターの向こう側から頬杖ついてニコニコしてる。

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