キラハグ

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「あれ？うまい」


「"あれ？"って言葉のチョイス、おかしくないですか？」


「あはは、ごめんごめん。
すげぇ意外にうまかったから」


「"意外に"ってのも余計ですね？」







いただきます、って手を合わせて私の料理を食べてくれる先生。

味の期待はしてなかったらしく、驚きながらも箸を進める。







「先生っていつもコンビニ弁当とかですもんね」


「だな〜。あいついなくなったし」


「体壊しますよ？」


「じゃあこれから毎日手作り料理お願いしやーす」


「うーん、気が向いたら」


「気が向いたらかーい」








何かこうして先生と二人っきりで話すのって新鮮だ。

仕事中は割と気が張ってることが多いけど
今この目の前にいる先生はすごく緩い。

こんな普通の会話して、まったりしてる空間が不思議すぎる。








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「あの、今日から色々と迷惑かけるかもですがよろしくお願いします」







だいぶご飯も食べ終えた頃
改めてそう言って、座りながら軽く頭を下げると
先生も律儀に箸を置いて向かい合ってくれる。









「俺の方こそ、ヒカリのこと任せちゃうと思うけどよろしくな。
なるべく早くあいつと話し合ってなんとかするから」


「……はい、いや、そこはゆっくりでもいいですよ。
奥さんだって色々と考えてヒカリのこと先生の所に置いていったんだろうし…。
無理して話しても、まだ心が安定してなかったりすると思うので」


「……うん、悪ぃな」


「いえいえ、私でお力になれるのならおまかせあれっ！」


「ふは、頼もしいな」








ありがとな、って目尻に皺を寄せて優しく笑ってくれる。

先生ってこんなに優しい顔する人だったっけ…、と
無駄にドギマギするんだけど。








「じゃあ私先に寝ますね、食器は明日私が洗うんでシンクに置いといてください」


「おーサンキュー」


「おやすみなさい」


「おやすみ」









こうして始まった私と先生と天使の
奇妙な共同生活。

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