唇。 ページ1
.
「A、もう終電なくなるぞ」
「う〜ん…、あともうちょっとだけ〜っ!」
「ったく、飲み過ぎだって」
呆れた顔しながらもまた缶ビールを口にする宏光。
それに合わせるように私もまた口にした。
深夜一時過ぎ、宏光の家での出来事。
「……私ほんとに太輔と別れたんだよねぇ…」
「それ言うの何回目だよ」
「だってなんか信じられなくて」
「自分で振ったくせに?」
「あは、確かに〜」
どうして別れたのかと聞かれるとうまく答えられないけど
私から太輔に別れを告げたのは一週間前。
「つーか、まじでそろそろ帰んねぇと電車なくなるけど」
「……うん、」
「・・・」
「・・・」
”帰りたくない”って思っちゃう気持ちを言えなくて
宏光も無理には帰そうとしなくて。
テレビの音だけが響く中、手持ち無沙汰にまたお酒を口にした。
.
「……宏光って右下の唇ぷっくりしてるよね」
「え?唇?」
「うん、そこだけ腫れてるみたいになってるのいつも気になってたんだよね〜」
沈黙を破るようにいつも気になってたことを何気なく口にすると
どこ?って言いながら、唇をんーって尖らせた。
「ここ、ここだけ腫れてるの」
尖らせた唇に触れてしまった私の指。
自分から触ったくせに、その熱を感じた瞬間に
しまった…、と我に返り途端に鼓動が早くなった。
「えー?なんだろ?噛みグセか?」
なんて言いながら、私が触ったことなんてちっとも気にしてない素振り。
「噛みグセなんてあったっけ?」
「や、分かんねぇけど」
「女にそこだけ吸われてるんじゃないの〜?」
熱を持ってしまった指の感覚を誤魔化すようにそう茶化すと
今度は逆に、宏光が私の唇にそっと触れた。
少し冷たい指先。
「吸ったら腫れるわけ?」
「……や、わ、分かんないけど…、」
「試してみてい?」
唇から頬へ、そこから後頭部まで流れるように移動していく指先。
それと同時に、近付く宏光の唇。
1785人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はちみつ(プロフ) - くまのこさん» 藤北協力プレイ…!楽しそう!まさかのあの藤北が私(阿部ちゃん)の為に協力してくれるなんて…!たまんなーい!(妄想)どうしよう、本気で書きたくなってきちゃったじゃないですか(爆)太ちゃんとの別れは可哀想すぎるんでそれでいきたいです!ワクワクしてきました〜♪ (2019年7月21日 7時) (レス) id: 396922a86c (このIDを非表示/違反報告)
くまのこ(プロフ) - はちみつさん» だって阿部ちゃんの取り合いしてる藤北様、私の中でナンバーワンなんですもん…ヒィッ、太ちゃんとの別れ……ヴッ(号泣)(でもそういうの好きですアリです一旦死にますけど!)心の準備はしておきますね…新たな敵を迎えて藤北協力プレイとかも見てみたいです?(何の協力) (2019年7月19日 23時) (レス) id: 9fffa79d91 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - くまのこさん» なんと…!くまのこさんが続編を望んでくださるなんて…!めちゃくちゃ嬉しいんですけど!私も阿部ちゃん書くの好きなんで続編を書きたいとライブの度にウズつくんです…(病気)その際は太ちゃんと一回別れてもいいですかね?(爆)色々と今後のお話を是非練りましょう。笑 (2019年7月19日 23時) (レス) id: 396922a86c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - エムアイケーユーさん» わー!阿部ちゃんを覚えててくださるかたがここにも!嬉しい〜私もライブがある度に阿部ちゃん書きたくなるので書くの好きなんです。笑 だからそう言っていただけて感無量です^^*移行もひっそりとしましたのでまた宜しければ遊びにいらしてくださいね〜♪ (2019年7月19日 23時) (レス) id: 396922a86c (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - ゆなさん» ゆなさん!凄いです!それなんです!やっぱり自分と置き換えなきゃ分からないですよね!だから北山さんと飲みに行かせ気持ちを分かってもらいました。笑 嬉しい、そこ分かってくださるなんて凄く感動してます。笑 移行しましたので、またよろしくお願いします^^* (2019年7月19日 23時) (レス) id: 396922a86c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2019年6月12日 19時