恋愛注意報 ２

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「わわ、本当に来てくれたんですね」


「え〜俺が嘘つくと思った？」





くすくす笑いながらも
近くに停めてあるらしい車まで案内してくれた。





「お腹空いてる？」


「先輩がご飯連れてってくれるっていうから
賄い少なめにしてお腹ペコペコにしてきましたよ」


「あはは、いいね気合い充分で」






本当は食欲もあんまりないっていうか
悩みすぎると食欲がなくなるんだよね。

でも先輩がせっかく誘ってくれたんだし
きっとおいしいお店なんだろうし
少しだけ裕太のことは忘れて、楽しめたらいいなって思っちゃう自分は贅沢者なのかな。






「コンタクト、大丈夫になった？」


「え？コンタクト？」





車に乗り込んでシートベルトをつけて
いざ出発ってとこでそう言われて
思わずキョトンとしてしまった。





「さっき働いてたとき
コンタクトずれて目赤くなってるって言ってなかった？」


「…………っあ、」






そういえばそうだった。

裕太のことで泣いちゃった赤い目を誤魔化すために
そう言ってたんだった。






「そ、そうですね！大丈夫です！」


「ふふ、本当に分かりやすくて可愛いよね」


「…………、」





ですよね。バレバレですよね。

何で泣いたのかはさすがに勘づいてはないと思うけど
泣いたって事実は先輩には筒抜けだ。







「俺で良かったらご飯食べながらでも話聞くから」


「…………はい、」


「あ、でも男関係だったら
俺に有利なアドバイスしかしないけど」


「え？！そんなっ」


「そっか。やっぱ男関係か」


「あっ、」





しまった。乗せられた。

ハンドルに手をかけてる先輩に目をやると
得意げに笑ってる。

卑怯です、ってむくれると
そこがAの可愛いとこだよ、って。





「先輩は本当に口がうまいです」


「え？そう？
Aが単純なだけだよ？」


「もうっ！」


「あはは」






この調子だと裕太のこともポロッと先輩に話してしまいそう。

余計なことは言わないように気をつけようと口を噤んで
そのまま車が走り出した。

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