欲しい愛と、知らない恋 ３

１２６ 北山side ページ28

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「え、Aもう出てくの？」


「おう、部屋決まったらしいしな」


「そっか〜寂しくなるね」


「お前は別にいつでも会えんだろ」


「うーん、まぁね。
Aの部屋に入り浸ろっかな」







にひひ、って笑ってる玉に
俺は書類を手に立ち上がった。

すると玉も同時に立ち上がるから
必然的に上から見下ろされて、








「寂しいね。」







って、さっきとまた同じ言葉を繰り返した。








「だからお前はいつでも会えばいいだろって、

「ミツは？もう会わないの？」








俺……？

出ていってもたまにはご飯に行こうってAは言ってたけど
きっともう会うことはないと思う。

なんとなく二人の間に感じてる違和感。

それに気付かないように笑ってるけど
この違和感が消えない限り、一緒にいるのは辛いだけだと思う。








「まぁでも、飯くらいはたまに行くんじゃね」


「彩月姉ちゃんは？
もし彩月姉ちゃんと一緒になったら
女の子とご飯に行くなんて嫌がらない？」


「いや、まだ彩月と一緒になるって決めたわけじゃ…」


「はぁ？
付き合うからAが部屋出てくんじゃないの？」


「いや、それとはこれとは別っつーか…」


「え？だってミツと彩月姉ちゃんって両思いなんじゃ、

「だぁーーー！！うるっせぇな！
その質問攻めやめろっ！」








玉からの怒涛の質問攻めに
自分の気持ちもぐちゃぐちゃだからうまく答えることも出来なくて
思わず大きな声で玉に向かって怒鳴っていた。









「・・・」


「…あっ、わ、わりぃ…」








途端に無言になった玉に
はっ、としてとりあえず謝るも
冷めた目を寄越して、一度さっき渡した書類をまた押し返された。









「ミツ、きらいっ」


「は？」


「ミツなんて嫌いだ。」


「はっ、ちょっ、」








静止する俺の手をするりと抜けて
スタスタ、と振り返りもせずにそのままバターンと扉を閉めて出ていった。








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「………なんだよ……、」








俺だって寂しいよ。

Aがいなくなるなんて
今更どうしたらいいのか分かんないくらい寂しいよ。

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