欲しい愛と、知らない恋 ２

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「え？Aちゃん彼氏が迎えに来るの？」


「そうなんだって。
だから先に帰るぞ」


「てかダメじゃん。
彼氏いる子と二人っきりでご飯に行こうとしてたわけ？」


「……別に友達なんだからいいだろ。」








お会計を終えて
二人のタクシー待ちの間にそんな会話をして。


いつから玉ちゃんが私の彼氏になったのよ。

彩月さんも、彼氏いる子とご飯はダメよ〜的なこと言ってるけど
旦那がいるのに他の男の部屋に泊まる方がダメだと思う。

モヤモヤと、さっきからどす黒い感情ばっかり。








「どんな人なの？
Aちゃんの彼氏さんっ」


「えー…、ど、どんな人…？」






どんな人って言われても
本当に付き合ってるわけじゃないし
玉ちゃんのことなんてそもそもよく知らないんだけども…。







「Aちゃん可愛いから
イケメンさんなんだろーねっ」


「いやいや…、」







・・・悪気のない屈託のない笑顔が
眩しすぎて辛い。







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「玉、すぐ来るらしいから」






少し離れた場所に彩月さんがいるうちに
コソッと耳うちをされて
その声にすらちょっとドキっとした自分が凄くやだ。






「……ん、わかった。」


「怒ってんの？」


「………」







怒ってないよ、とか心にもないこと言って
その場しのぎをしようかとも思ったけど
どうしても気に食わなくて何も言えなくなった私に、








「ごめんな、明日いっぱい甘やかしてやっから。」








意識してるのか、無意識なのか分かんないけど
甘い声でそう言いながら背中をポンっとされて
少し先を歩いていた彩月さんの隣へとまた戻って行った。









「・・・」









そういうとこ、ほんとずるいな。

その一言だけでちょっとだけ、
ほんのちょっとだけ、喜んじゃってるんだもん。

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