HONEY LOVE １

友達以上、恋人未満。 ページ1

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”めし、はちじ”







ちょうど仕事終わりに届いたメール。

差出人なんて見なくても
この内容だけで誰からかなんて分かっちゃう。









”おけ〜”








そのメールにふさわしい
短文な一言を送って、すぐに携帯をカバンにしまった。

そしてその素っ気ない返事とは裏腹に
丁寧に鏡とにらめっこ。

この気持ちを隠しながらの
戦場へ挑むのだ。









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＊＊＊＊＊


「おっつ〜」


「お疲れ様〜、っていうか遅いよぉ！」


「そ？五分遅れたくらいじゃん」


「じゅっぷん！ですけどー」


「へーへー、すんませんでしたー」







やれやれ、って顔をしながら
早速”生ひとつ〜”と店員に注文をしながら
私の向かい側に腰をかけた。









「なんか食いもん頼んだ？」


「んーん、まだ頼んでないよ」


「じゃあ頼もうぜ」







これとこれとー、ってメニューに目を通しながら選んでく宏光に
私はその姿をじっ、と見つめた。

この目の前の彼は
男だけど、男じゃない。

宏光にとっても私は
女だけど、女じゃない。









「こんなもんでいい？」


「…あ、うんっ、いいよ」


「聞いてなかっただろ」


「宏光が選ぶのはおいしいから任せてんのっ」


「……そう？」


「えっ、何急に照れてんの」


「照れてねーわ！」








前に宏光が言ってた。

”一人で飯食うのって苦手なんだよな〜”

だからきっと私はその寂しがり屋な宏光の寂しさを埋める
ひとつの要因でしかなくて
たった一人の”特別な人”にはなれない。









「うし、乾杯しよーぜ」


「うんっ、かんぱーい！」









それでもこうして毎日のように宏光に付き合っちゃうのは
私は、男として宏光を見てるから。

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