HONEY LOVE １

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「でさ〜、おかしいと思わね？」


「うん、そだね〜」







お肉を全部焼いてくれながら
私の小皿のタレがなくなったらそれすらも入れてくれて
致せり尽くせりの宏光との焼肉が好き。








「でも俺も色々思うこともあるわけだしさ〜」


「そっか、そうだよね〜」








お酒が入ると自分を語るというか饒舌になるから
私はもう半分話を聞き流してるけど(おい)


普段の甘い声が
更に甘くなってくとこが好き。








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「ねぇ、これ私もうちょっと焼きたい」


「は？
これはこのくらいレアじゃないとうまくねんだよ」


「私はやだもんっ」







レア気味に小皿に乗せられたお肉に
そんな主張をして無理やり網に戻すと
あーあ、って目で軽く睨まれて







「ぜってぇ、今くらいがうまかったのに」


「そんなことないよっ、ほら食べてみて？」








レアから数秒焼かれてしまったそのお肉を箸でつまんで
冗談交じりに宏光の口元へ持ってくと
パクッ、と食べられたそのお肉。









「…あっ、」


「ほらっ、さっきのが絶対ベストだった！」


「そ、そうかな…っ」






まさかホントに食べられるとは思わなくて
思わず自分の箸を見つめて固まった。






「・・・」








・・・間接キスになるんだけども。

こういう全く気にしてないとこが
私には結構ちくちくと心が痛む。









「……ごめん、ちょっとお手洗いっ」







どんな顔してその箸に口をつければいいか分からず
とりあえずトイレへ逃げ込もうと立ち上がれば、








「わっ……！」









と、お酒でふらついてバランスを崩し
少しよろけた私に咄嗟に宏光も立ち上がった。









「大丈夫か？飲みすぎじゃね？」








いつもの向かい側じゃなくて
息を感じるほどのすぐそばにいる、私の知らない宏光。


微かな香水のかおりとか
お酒で少し熱を含んでる瞳とか
耳がとろけそうな間近で聞く甘い声とか、


・・・柔らかそうな、目の前の触れたい唇。









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「……キス、してほしい…」



「へ？」









一歩踏み出す、勇気を。









「キスしてくれなきゃ、今日は帰んない…」









熱っぽいその視線と交わるだけで
私はもう簡単におちてしまうんだ。









「……送ってくよ、家まで。」









お酒のせいにして今日だけは……、

今日だけは私のこの気持ちに
付き合ってもらってもいいかな？









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────Fin.

めんどくさい…？→←友達以上、恋人未満。

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