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「これで、最後かな」
じゃん、って差し出された2本の線香花火に
少しだけ距離をつめて、横に並んだ。
「私、昔から線香花火って苦手なんですよね」
「え?なんで?」
「線香花火って大体締めにやるでしょ?
だから、この楽しい時間が終わっちゃう感じが寂しくて」
「あ〜、分かるかも。
でも線香花火って、火玉が落ちるまでに願い事を10回言えると叶うらしいよ?」
「え〜?なにそれ、初めて聞きました」
「ちょっとやってみようよ」
はい、って一本渡されて
「お願いごと何にする?」
「ん〜…、」
最近3キロ太ったし痩せますように、とか?
コンサートが最後まで無事に成功しますように、とかもいいかな〜。
なんて考えてると
ライターをもうスタンバイされていた。
「わ、まだ決めてませんよお願いごとっ、」
「あんまり考えないで、直感でいこ」
いくぞ〜!って
私と、自分のと順番にカチッと火をつけた。
ジリジリと火花の音を聞きながら
目を瞑って、お願いごとを心の中で唱えた。
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”この時間が、もう少し続きますように”
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直感的に願った願い事に
自分が一番びっくりしてる。
パチパチと響く切なげな花火の音を
二人で何も言葉を発することもなく。
藤ヶ谷さんはいま、何をおもってるの・・?
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やがて、少しずつ小さくなる線香花火の音に
目を開けようとしたその瞬間
煙の香りをかき消すように
藤ヶ谷さんの香りで包まれた。
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「Aが好き。」
「………え?」
目を開けると、目の前には藤ヶ谷さんがいて
何かを決心したかのように、まっすぐに見つめられた。
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「………ごめん。
やっぱり諦めらんない、Aのこと」
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ポタっと私の火玉が落ちて
あたりは街灯のみ。
月明かりが二人を優しく照らしていた。
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「もう離れたりしない。
ずっとずっと、傍にいるから」
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その真剣な眼差しと、真剣な言葉に
二人の影が重なった。
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拒むことの出来ない、優しいキス。
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はちみつ(プロフ) - みつみささん» はじめまして!毎日なんて嬉しいです!きっとみつみささんのコメントを読んでニヤついてる私の方が気持ち悪いはず。笑 八年前からとかキスマイがデビューする前からですか?凄い羨ましい!その頃のみっくんを知ってたなんて!♪北山さん、夜にまた登場しますね♪ (2018年2月18日 15時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - さりさん» そうなのですよ〜( ;o;)この流れからしたらもう藤ヶ谷さん…と!思いきやっ?!な、展開にするかもですので、まだまだ希望は捨てずにです!笑。夜にはまた北山さん登場するので、良かったら見てやってくださいね♪ (2018年2月18日 15時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
はちみつ(プロフ) - ミニーさん» ミニーさーん!♪ほんとガヤさんが登場するととりあえず甘々になっちゃってむず痒いですね。笑 今日の夜には新しく移行してまた更新するので、またお会いしましょうね\(^o^)/ (2018年2月18日 15時) (レス) id: 110603a9b6 (このIDを非表示/違反報告)
みつみさ(プロフ) - はじめまして!この小説が始まったときからほぼ毎日更新チェックさせていただいてます←気持ち悪い笑私自身8年前北山担になり、しばらく藤ヶ谷担→北山担に出戻りした人間なので、主人公の気持ちが分かりすぎます(T^T)笑でもやっぱり私は北山くんが好きです〜〜!(T^T) (2018年2月18日 4時) (レス) id: 4882726de9 (このIDを非表示/違反報告)
さり(プロフ) - たぶん藤ヶ谷さん派も多いと思うし、今までの流れからして藤ヶ谷さんに行くのが妥当だと思うのですが私的にはやっぱり北山くんが振られるのは泣けちゃうのでつらいです(;;) (2018年2月18日 3時) (レス) id: 56060c02c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちみつみゆ | 作成日時:2018年1月6日 22時