はじまる、恋。５

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どっ、どうしよ？！
え、もう北山さん来ちゃったよ？！
今来られちゃったら、


「A」

「えっ？」







さっきまでのあの気持ちはどこへやら。
藤ヶ谷さんの下で顔面蒼白パニックな私を見かねて
おいしょ、って腕をひいて起き上がらせてくれて






「Aは気にすることないよ」


「え？な、なにをですか？」


「今俺らがしてたこと。」







私たちがしてたこと、って
チューとか、ハグとか？
それを今更気にしなくていいと言われても…！






「Aは熱があって、俺に無理やりされたってことで」


「そんなっ、無理やりだなんてっ」


「ちゃんと今は北山と向き合って」








自分でこんな事しといて言うのもあれだけど、って笑って
ギュッと強く抱きしめられた。



同じ男の人なのに北山さんとは全然違う感触に
少しだけパニックが落ち着いた…、
気がする。









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──ピンポーン、



二人を急かすように再び鳴ったインターホンに
また慌てて体を離そうとすると
ふわっと抱き寄せられて
首元に甘い痛みが走った。








「…んっ？！」





バッて痛みを感じた箇所に手をやると





「北山に見つかんないようにね」





意地悪な笑顔を残して
はいはーいってドアへと向かうその背中を見つめた。









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…え？

首筋の甘い痛み…。

見つかんないように…？









「えぇっ？！？！」









玄関の方からの話し声を耳に
ふらつく足元で必死に洗面所へと駆け込んだ。








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「きっ、きすまーくっ…！！」









首筋の後ろに赤く薄い印。









な、なんてことを…
藤ヶ谷さんっ！！！！？

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