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切なさと興奮がない交ざった気持ちで何十回とMVを見た後
ホームページからファンクラブとツアーの申し込み、それにアルバム予約も同時にした。



この先も陰ながらひっそりと
応援していきたい。



ひろと同じ時代に生きて
ひろの歌が聴ける。


最初から、アーティストとファンていう関係だったと思えば、
これはすごく幸せなことなんだって思った────。






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『やっと色々一段落してさ、これからはツアーライブの練習に入るよ』


忙しい中を縫って、時折こうやって電話をくれる裕太。



色んな話をしていくうちに、自然と距離は縮まって親密度は増していくけれど
そこに恋愛感情が生まれてるかと言われると未だによく分からなかった。



そもそも経験値なんてないに等しい自分にはまだ色々とキャパオーバーすぎるのかもしれない。
そう裕太に言えば、




『気が済むまで考えて。俺は待つから』



裕太は無理に答えを急かさないでいてくれた。





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関係者のチケをあげるよという裕太の気遣いを断って
自分で申し込んで当選したチケットでライブ会場へと向かう途中の私に電話をくれた裕太。



『押されて怪我するなよ。怖かったら後ろの方の壁に張り付いてていいから』


会場へ着いた私はその意味を知ることになった。



2daysのライブが行われるライブハウスは2000人以上収容出来るらしく、1階がオールスタンディングで2階が座席になっている、今までの会場の3倍の広さはありそうなライブハウスだった。

そこに番号順に押し込まれていく。



ネット配信したMV動画はかなりの再生回数を記録して
シングルもアルバムもかなり売れたと裕太から聞いた。

ファンクラブの会員数も順調に増え続けているらしい。



様々なバックアップがあったとは言え
バンド自体にしっかりとした才能と実力がなければこんな順調にはいかないはずで。



諦めずにずっと地道にライブ活動を行ってきたことがこうして身を結んでいるんだと思ったら
この会場にたくさんの人が集まってることに感動しかなかった。

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作者名:はちみつみゆ. ましろ | 作成日時:2020年1月9日 18時

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