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「北さん!おはよーございます」
「おお、おはよーさん。今日は寝坊せずに来たんやな」
日誌を書いていた手を止め、稲荷崎高校の主将はこちらを一瞥した。
「そ、そんな頻繁に寝坊してるみたいな言い方せんでも…………」
ガックリ、と項垂れるとほんまのことやろ、と正論パンチが飛んでくる。
今日から学年が1つあがり、新学期が始まる。この後始業式があり、HRのあと授業もなく解散なのだが、稲荷崎高校バレー部はそんなこと関係なし。通常通り朝練と放課後練がある。
目の前で真剣に日誌を書いている目の前の部員は北信介。今学期からの新部長である。もともと隙のない機械のような人間である印象だったが、部長となるとますます絡みづらいなぁ、と侑は感じた。
「おい、なにぼーっとしとんねんツム。はよトスあげろや」
「わーっとるわ!」
俺はバレーボールを手に取り、コートの方へと向かった。
−−−−−−−−−−−−−−−−
始業式が終わると新クラスでのHRがある。名前順で指定された席に座り、先生が教壇に立った。
「…??」
なぜか目の前の机に誰も座らない。新学期早々欠席か?
疑問に思っていると、担任が話し始める。
「今日から新学期、やねんけどな、今年から転入生が1人だけ入学することになった。関東の学校から来たんやけど、元々こっちに昔住んどったらしくて、戻ってきたらしい。みんななかようしてな」
先生の言葉にクラスはざわざわし始める。
転入生か。バレー上手いやつやったらおもろいのにな。と考えていると、入ってきてと担任は転入生を教室に入るよう促した。
ーーーー目を疑った。そこには忘れもしない、大好きな女の子がいる。成長した彼女は一段と可愛らしくなっていたが、幼い頃の面影がある。
気づいたら、大きな音を出して席を立っていた。自然とクラス全員の目がこちらに向けられる。
もちろん、転入生の目も。
「A…??」
俺が名前を呼ぶと、Aは目を見開いた。
「えっ……………もしかして侑?」
向こうがそう返した瞬間、俺は教壇に向かって走り、Aを抱きしめた。
「A…!!会いたかった…!!!」
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ちび(プロフ) - ひなこさん» コメントありがとうございます!その通りです!お恥ずかしい…ご指摘ありがとうございました! (2020年7月5日 14時) (レス) id: c0c643d2d0 (このIDを非表示/違反報告)
ひなこ - 12ページの角名くんのセリフ火のないところに煙は立たないが正しい言葉だと思いますよ、 (2020年7月1日 20時) (レス) id: 70a16b712e (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - リョンリョンさん» コメントありがとうございます!!もっときゅんきゅんできるように、更新頑張ります(*^^*)暖かいお言葉励みになります! (2020年6月6日 23時) (レス) id: c0c643d2d0 (このIDを非表示/違反報告)
ちび(プロフ) - さむつむさん» コメントありがとうございます!クロは私的に女性に優しいイメージなので、そこを意識して書いてます笑 更新頑張ります!! (2020年6月6日 23時) (レス) id: c0c643d2d0 (このIDを非表示/違反報告)
リョンリョン(プロフ) - 初コメ失礼します!夢主が宮兄弟にまた会えるようにと思ってバレー続けてるとか普段強気なのにとても健気でかわいいです笑稲荷崎の宮兄弟と北さん推しなのでめっちゃ見ててキュンキュンします!!更新大変だと思いますが頑張ってください! (2020年6月6日 13時) (レス) id: 21731a0686 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ちび | 作成日時:2020年6月4日 19時