【HQ】ネコさんのマネはキツネさんのマネになりました。

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「なぁ、A！バレーしようや」



「…ばれー？？侑も治も股に白鳥つけんの？」



「そうそう、俺は湖の上で踊る白鳥で…ってちゃうわ！バレエじゃなくて、バレー！こう…手でパッて上げてバシって打つやつや！」



「なんやそれ、もっとわかりやすく説明してや」



「しゃーないな！！説明したるから、Aも一緒にやんねんで！」



俺らは1人の女の子の手を取り、走り出した。




−−−−−−−−−−−というところで目が覚めた。



「またこの夢かいな…」



稲荷崎高校バレー部セッターの宮侑は最近頻繁に見る幼い頃の夢に頭を抱えた。



「またあの夢みたん？」



2段ベッドの下から片割れである宮治が声をかけてくる。



「…おん。小学校からあってないのになぁ」



「まぁ…気持ちはわからんでもないけどな。俺も忘れたことないし」



俺たち2人には幼馴染がいた。幼稚園のころからずっと一緒で家族ぐるみで仲良くしていた女の子。


しかし、中学生に上がる頃、その子は家庭の事情で急に関東の方へ引っ越してしまった。


急に決定したらしく、俺たちもその子にちゃんとお別れの挨拶を出来なかったのだ。


さらにその当時携帯など持っておらず、連絡先を交換していないため連絡を取る手段がない。親に向こうの連絡先を聞いていないか問いたところ、家が真隣だったため、わざわざ連絡先を聞いていなかったという。


そのため、俺たちがその子に関して持っている情報はただ一つ。



「…A、元気かなぁ」



真白Aという名前だけ。

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