【HQ】ネコさんのマネはキツネさんのマネになりました。

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「あ、あの…宮？真白さんと知り合いか？」



困惑した先生に問われ、俺はそうっスと答えた。



「幼馴染です、ずっと会えてなかったんすけど、今日久しぶりに会えました」



侑はAをぎゅーっと抱きしめながら答えた。その様子をクラスの全員が呆気にとられて見ている。同じバレー部の銀島もなにも言葉に出せないようだった。



「ちょ、侑、くるしい」



「あ、ごめんA！」



「と、とりあえず宮は席つこか。真白は自己紹介して」



担任に促され渋々俺は席に着くと、クラスメイトに好奇の目でチラチラと見られる。特に女子。



「あ、はい、えと…真白Aっていいます。元々こっち住んでて、引っ越してきました。さっき見た通り宮兄弟の幼馴染です。関東の方でもバレー部のマネやってたんで、こっちでもしたいなって考えてます。よろしくお願いします」



そういうとAは深々と頭を下げた。パチパチとクラスメイトから拍手を受ける。
俺は大人しく席について、久しぶりに会いたかった幼馴染に会えたことに感動に浸っていると、自己紹介でAが言った事柄に、時間差で反応した。



「…………えええええ！！！！！！Aバレー部のマネやんの？！？！？！？！？！？」



ガターン！と大きな音をたてて席を立つと、「宮いい加減にせえ！！！！」と担任に怒鳴られた。


そのあとAは俺の前の席に座った。小声でまたあとでな、と声をかけられ、おう、と返す。
これまでもこれから先も、自分の苗字が宮であることに今ほど感謝することはないだろうと感じた。



HRが終わり、皆が帰る準備をしている中、俺は部活に行く用意をしながらAに声をかけた。



「Aほんま久しぶり！俺めっちゃ会いたかったんやで！」



「私もやで、あんたなんも変わってへんなぁ」



そういいながら笑っているAを見て、Aは女の子らしくなったな、かわいいと思ったが口には出さなかった。
そうや、バレーのマネの話を…と思った瞬間、大きな音をたてて、宮侑の双子の弟、宮治が教室に入ってきた。



「ツム！！！！Aが転入してきたってほんまか？！？！」



「あ、治！久しぶり！！」



Aを見た治は、一瞬固まり、その後Aを半泣きで抱きしめた。



女の子に毒舌を吐くと知られる宮兄弟(特に侑)が懐いている女の子、と学校中に知れ渡るのは本当に一瞬だった。
そしてそれは同時に、宮兄弟のファンから目をつけられるということでもあった。

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