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探偵社にて ページ4

「おはよーございます」
少し早めの出社だ。誰もいないだろうと思いながらも一応挨拶だけはする様にしている。誰もいないという保証はない。
「おはよう。今日は早いんだな」
探偵社のドアを開け帰ってきたら返事。やはりこの男は誰よりも早い出社をしていた。
「今日は早くに目が覚めてしまって。国木田さん。これ今回の報告書です」
「アァ、もう終わったのか?」
少し動揺した様子で尋ねてくる。少し顔が歪む姿も平均的な顔立ちと言ってもそこらの人よりもかなり整っていると言える見た目をしているためか大変絵になる。
「いいえ。今回の任務は少し厄介そうだったので下調べです。今日から任務にあたるつもりです」
「そうか。頑張れよ」
そういって報告書に目を移し不備がないか確認してもらう。ただ待っているだけというのも落ち着かなかったのでお茶でも淹れてくることにした。
「国木田さん。お茶です」
「ありがとう。不備はなかったぞ」
「ありがとうございます」
「しかしまた中王区か。中王区だって異能力者(我々)が事件なんぞ起こせる筈がないと分かっているはずなんだが」
国木田は眉を顰めた。
「中王区も分かっているからこその脅しでしょうね」
中王区にとって不利益な異能力者ばかり排除されている。ある程度排除したところで探偵社に依頼することで探偵社が断れば次狙われるのは探偵社だいうことを言いたいのだろう。必然的にこの事件は絶対に探偵社が解決しなければならない訳だ。
「なるほどな。政権が女性に握られてからというものディビジョン外の任務に行きづらくなったし色々不便だ。男だと尚更な」
「そうですね」
「そろそろ皆が来る時間だ。仕事に取り掛かれ」
そう言って国木田はポケットから飴を取り出し音夫に手を出す様に言う。差し出された手に飴を乗せ「頼んだぞ」と一言言ってパソコンに目を向けてしまった。この集中はあの包帯無駄遣い装置が来るまで続くことだろう。
「分かりました」
音夫もまた国木田と同じ様に自分の机に向かいパソコンや資料を広げる。いつもは片付いている机は資料で埋め尽くされた。貰った飴を口に入れカロカロと舐める。甘い風味が口いっぱいに広がる。苺味の飴だった。気を取り直して机に向かう。
(ある程度調べ上げたら街に出て調査でもしよう)
夥しい量の情報。情報収集能力に長けている音夫は一晩で大まかな情報は調べ上げてしまい、あとは不足している情報を集めるだけである。流石としか言いようがなかった。

萬屋ヤマダ→←出社



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蜜柑食堂(プロフ) - 蜜柑食堂と申します。なんだかいきなりログインできていない状態になりましてそのままログインできなくなったので別のアカウントで小説の続きを書く事にしました。少し面倒になるとは思いますが別のアカウントで続きを待機していただけると幸いです。一応書いときます。 (2月25日 21時) (レス) id: 34844023c7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:蜜柑食堂 | 作成日時:2024年1月30日 1時

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