信仰44 ページ47
太宰さんから逃げるように部屋から出て会場の前まで来てから1度息をついた。
……ああ、やばい。
どうしよう。指の震えが止まらない……
未だにカタカタと震える指や、気を抜いたら崩れそうな足。
色んなところに落ちた太宰さんの唇によって砕かれた腰……。
うう……どうしよ、立ってるのがやっと……
取り敢えず接待の方に戻って謝罪しなきゃ……。
酔って気持ち悪くなってましたとかいう言い訳で通用するんだろうか。
とにかく早く行かないと……
と、体の向きを変えた時だった。
「おやA、ここに居たのかえ？」
貴重なスーツ姿の姐さんが私に話し掛けてきた。
やっぱりスタイルいいなぁとか思っていたら姐さんは私の様子を見てふっと少し笑う。
「……女の顔じゃのう、Aよ」
「へっ！？」
何を、と言おうとすると姐さんは私のうなじあたりに手を置き、再度妖しく笑った。
「どこの輩に付けられたのか知らんが、隠さねば中也に裂かれるやものう」
「え……」
「気付いておらんのか？」
姐さんはそう言って手鏡を取り出し、私に向けて見せた。
……私のうなじには、噛み跡と真っ赤な華がつけられていた。
途端ばっと顔に熱が集まり、もう遅いと分かっていてもうなじを手で隠した。
そんな私の様子を見て姐さんは愉快そうに笑う。
「おぬしは本当に愛らしい程に莫迦じゃのう。深くは聞かぬが、あまり羽目を外さぬようにの」
「す、すみません……」
「
姐さんは綺麗な白色のストールを私の首に巻き、整えてくれた。
はぁ……助かった。
姐さんに見られたっていうのがもうかなり恥ずかしいけど仕方ない。深くは聞かないでいてくれる姐さんに心から感謝をする。
「……ありがとうございます」
「しばらくは
中也は莫迦だが阿呆では無い。見つかって言及でもされれば素直に謝るのが良いぞ。其はしばらく貸してやろう」
「……本当にすみません」
「気にするでない。早う次の接待へ行け。期待しているからの」
姐さんは私にひらひらと手を振ってくれたので私も会釈をして会場にもう1度入場した。
姐さんはもう挨拶を終わらせたのだろうか。それとも単に休憩しているだけ？
……どちらでもいいから、今だけは中原さんに会いませんように！
私はきゅっとストールを握り締めて接待先に向かった。
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FR3kb7ywsKfcSOL(プロフ) - マジでそれな(^^)b (2020年5月29日 23時) (
レス) id: e1643b3add (このIDを非表示/違反報告)
真依(プロフ) - それな( ´-ω-)σ (2018年6月2日 8時) (レス) id: 510e192a85 (このIDを非表示/違反報告)
fuwari - 私は治くんが世界一大好きなのですが...その気持ちものすごくわかります（*'‐'*) (2017年3月9日 23時) (レス) id: f502c3a9d5 (このIDを非表示/違反報告)
かなこ - 無気力感さんとは趣味が合いそうです！！ (2017年1月22日 16時) (レス) id: 6ab3ea64fe (このIDを非表示/違反報告)
無気力感(プロフ) - 無名の中二病患者さん» 書いててそれ本当思ってました(´^ω^｀)wそこはツッコまないで頂けると嬉しいです(ｏ'3')b ｼ――――!! コメントありがとうございます(*´∀｀*)ww (2016年12月23日 21時) (レス) id: a57f2ac744 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力感
| 作者ホームページ：
作成日時：2016年11月20日 10時
