信仰164 ページ45
「あ、あの、中原さん……」
「あ？」
恋人同士という言葉を聞いて急に襲ってきた疲労感に耐えきれなくなったのか何故か足がぷるぷる震えていた。あ、もうこれ無理、限界。
「すみ、ませ」
あっと膝から崩れ落ちて倒れこむ私の体を中原さんは咄嗟に支えてくれた。おい、という焦ったような声と共に。
「おいどうした、貧血か」
「違います……あ、足……なんか、立てなくて……ごめんなさい。気が、抜けたのかも」
「ほんと手前はだらしねぇな」
「すみません……」
情けなさで消えてしまいたくなったが、次の瞬間私はもっと消えたくなった。
何故なら突然襲う浮遊感にぱちくりと瞬きをすると、いつの間にか中原さんに横抱きにされていたからである。
「っう、うわぁあああ！？あっえっ中原さん何して！？」
「暴れんなよ落ちんぞ」
「いいです落として下さい！私重いですしっ」
「手前な、何年俺の補佐やってんだ異能考えろ異能」
あ……そういえば……
「まぁ使ってねぇけど」
「なんなんです！？」
下ろしてくださいよ〜と喚いていると、その拍子に足が折っちまっても手当金は出さねぇぞと言われたので大人しくすることにした。中原さんならやりかねない。
「手前の家近かったよな。裏道使って行くか」
「っ、え……？」
い、家……？
家に中原さんをいれるんです……？
いや別にいい、けど……だって、もう私達はただの上司と部下じゃなくて、信仰者と信仰対象じゃなくて、こ、恋人同士な訳で……そんな中自分の家にか、かか、彼氏……を入れるという行為は中々まずいのでは……！
すると固まってしまった私を見て中原さんが噴き出した。
「手前、今何考えてた？」
「っうぇ！？い、いえあのっ、何も！」
「心配すんなよ、家まで送ったら俺も帰るっての。付き合って早々変なことなんかしねぇよ」
あぁそれとも、と言って中原さんが流し目を寄越した。その口元には笑みが浮かべられている。
「手ェ出した方が、いいか？」
刹那耳まで熱が上ってくるのを感じたので誤魔化すように「いえ滅相もないです！！」と体の前で手をぶんぶん振った。
はうぅ……中原さんの大人の色気凄まじいぃ……こんなの身が持ちませんって！顔が熱いまま熱が引かないんですけども！
「……中原さん意地悪ですね」
「手前に
「あ、明日からは手ぇ抜いて下さいね……」
「どうだかな」
「お願いしますからね！？」
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おれんじ(プロフ) - とてもとても面白かったです！なんか感動しちゃって泣いちゃいました笑素敵な作品をありがとうございます！ (2021年4月3日 22時) (
レス) id: 0eb527936d (このIDを非表示/違反報告)
チキン - すごいっす！双黒が凄いかっこよく書かれてました。！でも太宰さんENDも見たい気持ちも少しあったかも……。これからも応援してます★ (2019年6月24日 22時) (レス) id: 4977555463 (このIDを非表示/違反報告)
存在理由【レゾンデートル】 - そしてこの作品とても面白かったです！また新作も作ってくれると嬉しいな〜なんて・・・。。これからも頑張ってください！！(◇∀◇) (2018年5月3日 23時) (レス) id: 2916bffe8d (このIDを非表示/違反報告)
存在理由【レゾンデートル】 - 初コメントでこんなこと言うのもあれですが、ハイキューの個人指導塾のやつ、修正おわってなくていいのでパスワード解除していただけないでしょうか・・・？無理にとは言いません！！そ (2018年5月3日 23時) (レス) id: 2916bffe8d (このIDを非表示/違反報告)
yun(プロフ) - 初コメ失礼します！とても素敵な作品でとても楽しく読ませて頂きました！続編楽しみにしています！ (2018年3月5日 15時) (レス) id: 568876bb4d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：無気力感
| 作者ホームページ：
作成日時：2017年5月6日 16時
