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信仰123 ページ4

手を引かれて階段まで来た時、リクは私の手を離して背を向けた。


「リク……?」

「階段を上がって、最上階まで行って。
一番大きな扉の部屋に入って其処にいる男の云うことに従って」

「何で……?リクは付いて来てくれないの?」

「無理。速すぎる」


速過ぎる?

何が?


「早く行って。
私は数分しか稼げない」


分からなくても、取り敢えず「うん」と頷いて階段を駆け上がる。

けれど途中で振り返ってリクを見てしまった。

……何だか、もう会えない気がしたのだ。

けれどその小さな背中に『早く行って』と書いてある気がしたので、そのまま振り切って階段を駆け上がった。


近付いてくる何者かの足音に、ずきずきと頭が痛んだ



*****



キィ、と開いた扉から


恐る恐るといった様子で足を踏み入れる


嗜好服(ゴスロリ)を身に纏った女性は


私を見て目を見開いた


ふ、と笑いかけると


そのまま目を濁らせて


次に、恍惚と顔を歪ませた




「……嗚呼、中原さん、太宰さん」



そして、愛しい二人の名を呼んで



「私は、ずっと、お二人を_________」



堕ちた




*****




「……君かい?ウチの名探偵を毒殺しかけたのは」


目の前に居る少女に優しく問い掛けても、少女は目を伏せたまま動かずに返事もしない。


「まぁ其れは今はいいや。
私達の目的は其れじゃない」



あくまで優しい声色でそう云って、彼女の肩にポンと手を置く。



「あの子は何処だ?答えないのなら君の首が飛ぶだけだ」



嗚呼、私も変わっていないな。

結局私は昔から変わらないのかもしれない。

彼女のこととなると制御が効かなくなる。

彼女が絡むと、『黒』になってしまうのだ。



「……私が貴方達を倒せる可能性は、万に一つも無い」



目を伏せたまま彼女は鈴の鳴るような声で云った。

どうやら無鉄砲な莫迦ではないらしい。



「けれど、貴方達があの子の……ボスの前に飛び出して行ったって、貴方達は万に一つも勝てない」



__________だから


少女は「お願い」と呟いた



「私に賭けて。
貴方達を勝たせられるのは、私しか居ないの」

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おれんじ(プロフ) - とてもとても面白かったです!なんか感動しちゃって泣いちゃいました笑素敵な作品をありがとうございます! (2021年4月3日 22時) (レス) id: 0eb527936d (このIDを非表示/違反報告)
チキン - すごいっす!双黒が凄いかっこよく書かれてました。!でも太宰さんENDも見たい気持ちも少しあったかも……。これからも応援してます★ (2019年6月24日 22時) (レス) id: 4977555463 (このIDを非表示/違反報告)
存在理由【レゾンデートル】 - そしてこの作品とても面白かったです!また新作も作ってくれると嬉しいな〜なんて・・・。。これからも頑張ってください!!(◇∀◇) (2018年5月3日 23時) (レス) id: 2916bffe8d (このIDを非表示/違反報告)
存在理由【レゾンデートル】 - 初コメントでこんなこと言うのもあれですが、ハイキューの個人指導塾のやつ、修正おわってなくていいのでパスワード解除していただけないでしょうか・・・?無理にとは言いません!!そ (2018年5月3日 23時) (レス) id: 2916bffe8d (このIDを非表示/違反報告)
yun(プロフ) - 初コメ失礼します!とても素敵な作品でとても楽しく読ませて頂きました!続編楽しみにしています! (2018年3月5日 15時) (レス) id: 568876bb4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無気力感 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月6日 16時

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