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信仰134 ページ15

「……は?」



それまで笑顔だった彼女は、一言そう漏らすと徐々にその表情を無に還していった。


「君の異能は未だ不確定要素が多過ぎる。私が傍に居た方が安全だろう?それに、私は今回のことでまた強く思ってしまったのだよ」


ふっとAちゃんに笑いかける。



「君と、また仕事がしたいと」



すると彼女は大きく目を見開いてその表情を驚愕に歪めた。

思わず手を伸ばして「だから」と触れようとすると、彼女の小さな唇が動いてそれとなく止められた



「……それ、を」



そして、次に彼女はその顔を嫌悪のようなものに歪めたのだ



「今、私に言うんですか」



(あ)


嗚呼、間違えた


私は全てを間違えた


今この時機(タイミング)であれば彼女がもしかしたら考慮してくれるのではないかと、そんな邪な考えが無かった訳では無い。

けれど、それでも。


こんな顔をさせたい訳じゃなかった



「いや、君が隣に居てくれたらきっと仕事ももっと捗るしね」


違う


「異能が暴走するのもきっと苦しい」


違う


「Aちゃんが真にその才能を活かせるのは探偵社じゃないかな?」


違う


「私が斡旋(あっせん)して社長に話をつけるし、」


こんなことを、云いたいんじゃない


「Aちゃんに損になることは」



すると彼女はくるりと背を向けてそのまま歩き出した


あのAちゃんがこんな風に完全な私情で私の云うことを振り切ろうとするなんて有り得ない。

中也が関わった時なら何度かこういったことは在ったけれど、今のこれはAちゃんの単なる『拒絶』という意思だ。

思わずその華奢な肩を掴んで引き止めた。



「Aちゃん話を、」

「私が!」



しかし振り返った彼女のその目には今にも零れそうな程の涙が溜まっていて、また私は何も出来なくなってしまう。

嗚呼、矢っ張り苦手だ。この子の泣き顔だけは。



「私が貴方にそう言って欲しかったのは今じゃない!」



しかし泣き顔の動揺から一変、私は彼女の言葉に胸を貫かれた気がした。



「私はっ……私は、四年前の貴方にそう言って欲しかった!あの時貴方に『付いて来て』って言って貰えるだけで良かった!それだけで私は貴方に何もかも捧げられたのに!どうして!どうしてッ、」



遂に大粒の涙を零してしまったAちゃんを狡く抱き締めた。

ふわりと揺れた彼女の柔らかい髪を掻き上げて、ただ強く抱きとめた。

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おれんじ(プロフ) - とてもとても面白かったです!なんか感動しちゃって泣いちゃいました笑素敵な作品をありがとうございます! (2021年4月3日 22時) (レス) id: 0eb527936d (このIDを非表示/違反報告)
チキン - すごいっす!双黒が凄いかっこよく書かれてました。!でも太宰さんENDも見たい気持ちも少しあったかも……。これからも応援してます★ (2019年6月24日 22時) (レス) id: 4977555463 (このIDを非表示/違反報告)
存在理由【レゾンデートル】 - そしてこの作品とても面白かったです!また新作も作ってくれると嬉しいな〜なんて・・・。。これからも頑張ってください!!(◇∀◇) (2018年5月3日 23時) (レス) id: 2916bffe8d (このIDを非表示/違反報告)
存在理由【レゾンデートル】 - 初コメントでこんなこと言うのもあれですが、ハイキューの個人指導塾のやつ、修正おわってなくていいのでパスワード解除していただけないでしょうか・・・?無理にとは言いません!!そ (2018年5月3日 23時) (レス) id: 2916bffe8d (このIDを非表示/違反報告)
yun(プロフ) - 初コメ失礼します!とても素敵な作品でとても楽しく読ませて頂きました!続編楽しみにしています! (2018年3月5日 15時) (レス) id: 568876bb4d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:無気力感 | 作者ホームページ:   
作成日時:2017年5月6日 16時

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