29 ページ38
【A side】
前に「剣士になりたい」と言った時にはゆうに猛反対されて、それで唇を噛み締めながら涙をこらえ押し黙っていた。
けど、その時とは随分違う。
いつも泣いていて、私に甘えてきて、ゆうの後ろをくっついて歩いていた幼いむいはいつの間にかいなくなっていた。
変わっていたんだ…小さいと思っていた弟も。
私の知らないところで、いつの間にか、こんなにも立派に、大きく大きく成長していたんだ…。
もう、あの頃のむいじゃない。
きっともう私が何を言っても、それがゆうであっても、この決意は揺らがないだろう。
時透 有一郎
「…なら」
ゆうがたっぷり迷ってから、ゆっくりと口を開く。
時透 有一郎
「…俺も、入ります。鬼殺隊」
時透 無一郎
「兄さんっ…!?」
時透 A
「…ゆう…」
きっとゆうにも、もう止められないと分かったのだろう。
だからきっとこれは、それでも側で守ろうと言うゆうなりの決意。
お館様は笑顔で頷いた。
産屋敷 耀哉
「歓迎するよ。育手を紹介しよう。君達が入隊する日を心待ちにしているよ、無一郎、有一郎」
有一郎&無一郎
「…はい」
私は弟二人を誇らしいような寂しいような思いで見つめた。
産屋敷 耀哉
「さて、三人の家は先日の襲撃で壊れてしまったそうだね?近くに小さいが空き家があるんだ、良かったらしばらくはそこを使ってくれ」
時透 A
「あ、ありがとうございますっ!」
産屋敷 耀哉
「ああ。今日はわざわざ呼び出してしまってすまなかったね、用件はこれだけだよ。それじゃあ、隠の皆。A達を家へ連れていってあげてくれ」
隠の人がやってきて一礼し、私たちを背負う。
次の日から、私は新たな自宅から任務に励み、ゆうとむいは私と同じ育手の先生に霞の呼吸を教わった。
そして――――。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
るるっち(プロフ) - 優衣さん» コメントありがとうございます！あの話はとても楽しみながら書いた覚えがあります笑 (9月15日 13時) (
レス) id: ef030e36e0 (このIDを非表示/違反報告)
優衣 - 夢主ちゃんのドッキリがすごく面白かったです❗ (8月28日 11時) (レス) id: fa32b0552b (このIDを非表示/違反報告)
紬(プロフ) - はい！！！！そんなこと言っていただき光栄です//////めっちゃありがとうございます。 (7月1日 6時) (レス) id: c9acf0ff51 (このIDを非表示/違反報告)
るるっち(プロフ) - 紬さん» そうなんですかね。コメントって貰えたら貰えるだけ嬉しいものですし、私としてはなるべくその思いをお返ししたいと思ってます。しかし、こうして褒めて貰えると嬉しいものですね。こちらこそありがとうございます。 (6月30日 20時) (レス) id: ef030e36e0 (このIDを非表示/違反報告)
紬(プロフ) - おーーーー！それは素晴らしいですね。返信できる人ってなかなかいませんよ///本当にいろんな意味でありがとうございます。 (6月29日 16時) (レス) id: 3716f5de4e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
