【鬼滅の刃】時透兄弟は姉さんを溺愛したい。【時透兄弟】【短編集】

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【A side】

鬼
「うるせえうるせえ騒ぐな。どうせお前らみたいな貧乏な木こりは何の役にもたたないだろ」

鬼
「いてもいなくても変わらないようなつまんねぇ命何だからよ」

その言葉を聞いた瞬間、

何かが

私の中で

プツン、と音をたてて

切れた

時透 A
「……………は?」

唇から暗い、暗い声が漏れ出る。

時透 A
「…ふざけるな」

弟達を侮辱するな

何も知らないお前がノコノコ現れて

勝手なことを言うな

時透 A
「つまらないのは貴方の方でしょう」

腸が煮えくり返るようだった

今まで感じたことのないまでの怒りが沸々と体の中で煮えたぎる。

誰よりも優しくて

誰よりも強い心を持っていて

誰よりも不器用で、素直で、それが時々哀しくて

それでも誰よりも暖かく

そして誰よりも大切な私の弟たちが

何の役にもたたない?

いてもいなくても変わらない?

つまらない命?

馬鹿も休み休み言えよ(・・・・・・・・・・)

…ねえ、カナエ。

カナエ、前に言ってたよね

鬼は哀しい生き物だって

鬼も人間も仲良くすればいいって

それをはじめて聞いたとき、私ね

何てすごい人なんだろうって

人を傷つける鬼にすらそんな優しさを向けられる貴方に

憧れたの、私

カナエみたいになりたいって

それから私もそう思うようになった

けど、けどね

ごめん、カナエ

やっぱり私はそんなに優しくなれないみたい

私、こいつだけは哀しい生き物だなんて思えないの

こいつとだけは、仲良くなんてできない

できない

したくない。

フゥゥゥゥ

ここで決める

ここで終わらせる

きっと私に、今までの私にこいつは倒せない

霞じゃ駄目なんだ

私に霞は合わない

刀の鍔をみる

桜の形の、可愛らしい鍔

いつか見た桜が、あの春が脳裏に鮮やかに蘇る

むい、ゆう。

もう少しだけ、

もう少しだけ、待ってて――。

?? ???
「Aっ!!?」

時透 A
「春の呼吸(・・・・) 壱の型――――――」









――――――春霞

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