閑話 もう一晩の幸せ ページ49
*
貴「じゃあさ、無一郎くんの幸せってなに?」
無「僕の、幸せ……?」
無一郎くんが幸せになったら、私の幸せ。一石二鳥!ね?お得じゃない?と笑うAさん。
……食物連鎖みたいだ。
そう思ったのは口には出さないでおいた。
無「僕の幸せってなんだろう…」
貴「そうだとは思ってた」
無「ただ繰り返すだけの毎日だし…
どうせ今決めても忘れちゃうから」
貴「私が覚えてるから大丈夫だよ!
何か無いの?胸がほわほわってする時とか…」
胸がほわほわ……
…あぁ、ある。身に覚えがある。
無「Aさんと一緒にいる時安心する
ほわほわしてる」
貴「じゃあ今もしてるの?」
無「うん、してるよ
Aさんとのお話なんでも楽しいから」
貴「無一郎くんそれは…困るなぁ……」
無「えっ、何で?」
僕Aさんを知らぬ間に困らせてしまった?
ちゃんと正直に答えたのに。何で?
貴「だって、それじゃあ
無一郎くんの幸せは私になっちゃうよ…?」
無「!」
そうだ、そういうことになるのか。
正直に答えたということは本心だ。間違いない。
Aさんの幸せは僕で、僕の幸せはAさん。
そう思うと……何だろう…何でだろう…
───凄く、嬉しい
貴「無一郎くんには自分の幸せは無いの?」
無「Aさんと一緒がいい」
貴「無一郎くんは私と一緒だと幸せなの?」
無「うん、僕の幸せはAさんだから」
貴「……私に似てきたねぇ」
無「ありがとう」
そっか、そっかぁ……とAさんは繰り返す。
嫌なのかな、やっぱり困るのかな?Aさんが困るのならやめた方がいいよね。
無「Aさん困る?嫌だ?」
貴「……嫌じゃないよ、寧ろ嬉しい」
無「じゃあ何で…?」
貴「私、無一郎くんの為なら死んでもいいって思ってたんだけど…」
無「うん、知ってるよ
………あ、そっか、そうなると」
僕の幸せが無くなっちゃう。
Aさんのことだから「私は無一郎くんの為なら……けど無一郎くんの幸せでもあるから………あれ、待って私はどうすれば…?」って考えてるんだろうなぁ。
考えすぎて目が回っているAさんの手をとる。
無「僕はAさんの幸せを守るから
Aさんも僕の幸せ守ってね」
貴「……無一郎くんずるいよ…」
無「それはお互い様」
貴「ふふ、そうだねぇ」
*
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鬼滅大好きもち - 中学一年の私自身むいくんが最推しなのでこの小説を読んでると心がホワホワします。むいくんと恋仲が私的に思ってないので師範面から過ごす話の小説を探していてやっとお気に入りの小説に出会うことができました!とてもいい作品を作っていただきありがとうございます! (2019年12月27日 10時) (レス) id: 08fa144c19 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - 鬼滅隊じゃなくて鬼殺隊ではないでしょうか?間違いだったらごめんなさい。 (2019年11月17日 18時) (レス) id: f2976f8dda (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 岬さん» ひぇ…恐縮です……私も岬さんから温かいコメントをいただけてキュンキュンが止まりません…ありがとうございます…… (2019年9月2日 15時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
岬 - わぁ……閑話めっちゃ……もう……囁かに甘くてキュンとしてしまいます……むいくんが柱になってからは、夢主さんに甘える機会が少なくなったように見えますし、こんなふうに甘えてるのを見るとキュンキュンが止まりません……ほんとに時紀さんの小説で、生きてます…… (2019年9月1日 21時) (レス) id: 7d9b2a2f36 (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 李詩さん» 無一郎くん喋りましたねぇ、動きましたねぇ、かぁいかったですねぇ。作者もとっても幸せです。一緒にキュンキュンしましょう……! (2019年9月1日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あたた | 作成日時:2019年7月23日 23時