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閑話 一晩の幸せ ページ48

*





頭を撫でられている。

ふわふわと宙に浮いているような心地よい感覚。



頭を撫でられるなんて久方振りだ。

この心地よい感覚が惜しいが、そろそろ意識が戻ってくる。…撫でてくれてたのは誰だろう。





無「……あ、Aさん起きた

おはよう」



貴「…おはよう

具合はどう?」



無「だいぶ良くなったよ」



貴「そっか、良かったぁ」





そうだ、無一郎くんの手を離すことが出来ずにそのままベッドに頭を預けて座りながら寝てしまったんだ。

……通りで腰と腕が痛いわけだ。





無「ずっと手握ってくれてたの?」



貴「無一郎くんの手熱かったから……

熱が手を伝って私に移れば楽になるかなぁって」





ま、そんなことないけどねと笑ってみせる。

それと同時に繋がれていた手を離して立ち上がり、思いっきり背伸びをすると体の節々から悲鳴をあげているのが分かった。





貴「───…聞いたよ、血鬼術の話」



無「!」



貴「私が万が一にでも鬼になってしまったら

無一郎くんに斬られて死にたいな」



無「……それがAさんの幸せ?」



貴「そうだねぇ

無一郎くんに斬られるなら本望だよ」





だって無一郎くんの幸せが私の幸せだもの。

だから私のせいで怪我を負わせてしまうのは嫌だ。



無一郎くんの幸せを私が壊してしまうのなら、そんなの死んだ方が良い。

そして最期は無一郎くんの姿を見たい。





貴「その時は私を斬ってくれる?」



無「うん、いいよ

Aさんのことは僕が斬るからそれまで死なないでね」



貴「それは相手にもよるね…」



胡「朝から物騒な話をしてますねぇ」





おはようございますとにこやかに入ってきたしのぶちゃん。

体温計を無一郎くんに渡すと、そのまま彼の額に手を当てて満足気に笑った。





胡「うん、昨日よりは下がってますね

顔色もすごく良くなってます」





それではそのまま体温計10分間固定していてください。また来ますね。と言い残してしのぶちゃんは立ち去った。

きっとここにいる患者さんの状態を確認しなきゃいけないから朝は忙しいんだろうな。





無「ねぇ、Aさん」



貴「なに?」



無「僕もっと強くなれるように頑張るね」





───Aさんの幸せを守れるように





*

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設定タグ:鬼滅の刃 , 時透無一郎   
作品ジャンル:アニメ
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鬼滅大好きもち - 中学一年の私自身むいくんが最推しなのでこの小説を読んでると心がホワホワします。むいくんと恋仲が私的に思ってないので師範面から過ごす話の小説を探していてやっとお気に入りの小説に出会うことができました!とてもいい作品を作っていただきありがとうございます! (2019年12月27日 10時) (レス) id: 08fa144c19 (このIDを非表示/違反報告)
カオリ(プロフ) - 鬼滅隊じゃなくて鬼殺隊ではないでしょうか?間違いだったらごめんなさい。 (2019年11月17日 18時) (レス) id: f2976f8dda (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 岬さん» ひぇ…恐縮です……私も岬さんから温かいコメントをいただけてキュンキュンが止まりません…ありがとうございます…… (2019年9月2日 15時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)
- わぁ……閑話めっちゃ……もう……囁かに甘くてキュンとしてしまいます……むいくんが柱になってからは、夢主さんに甘える機会が少なくなったように見えますし、こんなふうに甘えてるのを見るとキュンキュンが止まりません……ほんとに時紀さんの小説で、生きてます…… (2019年9月1日 21時) (レス) id: 7d9b2a2f36 (このIDを非表示/違反報告)
時紀(プロフ) - 李詩さん» 無一郎くん喋りましたねぇ、動きましたねぇ、かぁいかったですねぇ。作者もとっても幸せです。一緒にキュンキュンしましょう……! (2019年9月1日 0時) (レス) id: efc0380dc7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あたた | 作成日時:2019年7月23日 23時

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