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「__両親も………弟も…………俺のことを、想って…………そんな、そんな………」
よろよろと膝から崩れ落ちる青鬼。
不思議なことに、赤黒い瞳、牙を残して
みるみる人型になっている。
ふ、と視線をこっちにやると
すまなかった、と大粒の涙を零していた。
「
覚えてたんだ。
………あの鬼が気の狂った時の、私の叫び声。
『チビじゃないしそこまで年齢変わんないんだけど…………。
なに?』
そう問うと、懐から出した丸い団子のようなもの。
え、ごめんこんな時に言うことじゃないのは分かってるんだけど頼む言わせて。
めっちゃ千と○尋の神隠しに出てくる苦い団子みたい………。
………ごめん。()
「俺の家、薬を調合して売っていたんだ。
これが効くかはわかんねぇけど………
霞のチビくんにやってくれ。」
それを直接渡せばいいものの、私が近寄るのを躊躇うとでも思ったのか、思いっきり投げてきた。
『うおあっ!?』
危ねぇなおい。
「ふ、ないすきゃっち」
片言ならぬ平言。(?)
私がありがとう、とお礼を言うと
悪かったと言ってこちらを見てきた。
まるで
"殺してくれ"とでも言うように。
私は貰った団子を懐にしまい、刀の柄を握る。
すると、前から覚えていたかのように息を吐く。
『___全集中
壱ノ型
トン、トンッとステップを踏み
チリンという鈴の音が聞こえたのを合図に、
一瞬で刀を振った。
「___ありがとう、
風に舞い、灰のように天に消えていく鬼。
『………だから、チビじゃないってば』
________
大晴 side
「……っ、大晴!」
「大晴!」
「兄さん!」
目を開けると
母さんや父さん、弟の太陽が俺を囲うようにしていた。
「父さん……母さん、太陽………ごめ、ごめん…っ俺…………!」
「私達こそごめんなさい……貴方を鬼にしてしまい、やりたくも無いことをさせてしまった……!」
母がそう言うと、弟が俺に抱きつき、大粒の涙を流した。
「僕のせいだ……僕の…っ!ごめん、ごめんね兄さん、」
「悪かった、大晴。無理をさせたね。」
「皆……う…うぅ…っ」
____
ありがとう____
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美穂(プロフ) - また更新楽しみにしてます (2022年7月24日 13時) (レス) @page28 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
f,s - ヤバい!無一郎君神! (2020年3月1日 19時) (レス) id: 567bb0e9d7 (このIDを非表示/違反報告)
詩 - 面白いですね♪続き楽しみにしてます! (2020年1月18日 21時) (レス) id: 059c2de8f9 (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ - どうもゆめです!...無一郎君カッコいい...。頑張ってください! (2020年1月6日 15時) (レス) id: 656f6aada7 (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 好き…………滅茶苦茶好きです…………無一郎くん尊 (2019年12月5日 13時) (レス) id: 5fe7b44b45 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:めぐみるく | 作成日時:2019年9月2日 0時