021 失うとわかっている宝物 ページ21
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杉田｢そっかぁ、ニューワールドで初めて会ったんだ。有岡くんとこの遊園地だもんね。｣
気づけば、自然と仲良くなっていて。
嬉しくて午後の接客も捗った。
そして始まった後夜祭。
バンドに盛り上がる体育館をよそに、わたしは大貴くんに連れられて誰もいない教室にやってきた。
お行儀が悪いけど、それぞれ自分の机に腰かけて、２人で夜空を見上げる。ああずっとこのまま、大貴くんといっしょに生きていけたらいいのに。
未来になんか戻らずに、ここでずっと。
大貴｢何考えてんの？｣
｢ん？｣
大貴｢寂しい顔してる。｣
あぁ、一番思わせたくないこと。
大貴くんが、腰掛けていた机から降りてわたしのほうへ。机に置いたわたしの手に大貴くんが自分の手を重ね、ゆっくりと顔を近づけた。
大貴｢…………｣
何か言いたそうな顔。
それでも何も言わず、そっとキスをしてくれた。
涙が頬を伝う。
馬鹿みたいだ。こんなに幸せなのに。
失うとわかっている宝物を、こんなに大切にできるのは、大貴くんがそれほどかけがえのない存在だからだ。優しいキスに、星空さえも溶けだしそうな、そんな夜。
顔が離れた瞬間に拭った涙の跡は、気づかれているのかいないのか。どちらにしろ見えないように、今度はわたしから大貴くんに抱きついた。
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いく(プロフ) - パレードが始まるが頭の中に流れました！！ステキなお話をありがとうございます。 (2020年8月9日 10時) (
レス) id: bf142477e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ - むぎさんの作品まじで大好きです。何億回でも読めます。 (2020年3月24日 22時) (レス) id: 62a0eb8cec (このIDを非表示/違反報告)
じゃん - 受験終わったあとの楽しみにしてて、今日読み終わりました。相変わらずむぎさん最高すぎます。大好きです。 (2020年3月24日 22時) (レス) id: 2c5e964fc3 (このIDを非表示/違反報告)
梨(プロフ) - 好きすぎました！！めちゃくちゃ泣いたしめちゃくちゃドキドキしたし有岡くんが有岡くんで、このお話大好きです！ (2020年3月14日 16時) (レス) id: d970aa184c (このIDを非表示/違反報告)
ねこ。(プロフ) - 完結おめでとうございます！めちゃくちゃ幸せでした！またいつか機会があれば、未来に戻ってから結婚までのお話も気になるので、読めたら嬉しいな〜と思いました！ (2020年1月1日 13時) (レス) id: f99e88b778 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：むぎ
| 作成日時：2019年12月1日 12時
