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020 意外 ページ20

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9月18日

[文化祭当日。

初めて杉田さんと話した。]























「いらっしゃいませ。」





教室でひたすら模擬店の接客をしたわたし。休憩時間にひとりでお弁当を食べていると、意外な人が隣りに座った。





杉田「一緒に食べてもいい?」




「えっ?」




杉田「大丈夫だよ。もう有岡くんに聞いたから。」








何が大丈夫なのか。でも彼女は、どこか吹っ切れたように笑っている。

弁当を広げ始めた杉田さんは、自分で作ったの。なんてのんきに食べ始めた。









杉田「気にしないで、ほんとに。あれで最後にするって決めて告白したから。もういいの。」




「、うん。」




杉田「でも有岡くん、ずっと彼女いなかったから。モテるのに、なんでかなーって。前にね、先輩に告白されてた時、有岡くんちょっと問い詰められてて。ほんとに好きな人ができたら、付き合いますって言ってたの。」




「……、」




杉田「しばらくして、Aちゃんが転校してきて、すぐにわかったよ。有岡くん、この子が好きなんだろうなーって。」




「……、」




杉田「でも、なんとなくわかるの。有岡くんの気持ち。」




「へ?」




杉田「係決める時、わたしと有岡くんが一緒になるようにしてくれたでしょ。」




「、えっと……」




杉田「そういうとこ。どこか一歩引いてるけど、みんなが嫌がった接客も文句言わずにやってるしさ。Aちゃんなら、仕方ないなぁって。ずっと好きだったのに、なんかあっさりだよ。」









ふふふ、と笑った杉田さん。

不思議と嘘がないように思えた。友達第2号は、意外なところからだった。









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いく(プロフ) - パレードが始まるが頭の中に流れました!!ステキなお話をありがとうございます。 (2020年8月9日 10時) (レス) id: bf142477e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ - むぎさんの作品まじで大好きです。何億回でも読めます。 (2020年3月24日 22時) (レス) id: 62a0eb8cec (このIDを非表示/違反報告)
じゃん - 受験終わったあとの楽しみにしてて、今日読み終わりました。相変わらずむぎさん最高すぎます。大好きです。 (2020年3月24日 22時) (レス) id: 2c5e964fc3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 好きすぎました!!めちゃくちゃ泣いたしめちゃくちゃドキドキしたし有岡くんが有岡くんで、このお話大好きです! (2020年3月14日 16時) (レス) id: d970aa184c (このIDを非表示/違反報告)
ねこ。(プロフ) - 完結おめでとうございます!めちゃくちゃ幸せでした!またいつか機会があれば、未来に戻ってから結婚までのお話も気になるので、読めたら嬉しいな〜と思いました! (2020年1月1日 13時) (レス) id: f99e88b778 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むぎ | 作成日時:2019年12月1日 12時

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