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022 ストロー ページ22

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10月1日

[放課後、大貴くんと勉強。

ニューワールドで将来の話を聞いた。]




















「勉強しないの?」





大貴「んー。俺はいい。」









パックのジュースのストローを吸いながら、ぼーっと空を見る大貴くん。

Aといられるだけでいいよ、なんてぷっくりしたほっぺを緩ませて呟く。そんなこと恥ずかしげもなく言わないでよ。









「また赤点になるよ?」





大貴「いいのいいの。進路とか、そういうの決まってないし。別にやりたいこともないしさ。」





「、そっか。」









わたしの前の席の椅子に、背もたれを前にして跨り、こっちを向いて座る大貴くん。すごく顔が近い。こんな至近距離でジュース飲まれたらこっちが恥ずかしいよ。

どんどん勉強が頭に入らなくなってくる。









大貴「なぁに照れてんだよ。」





「て、照れてないよ。」





大貴「えー?手止まってんじゃん。」









なんて、ストローを咥えながら顎でくいっと手元を指される。確かにさっきからシャーペンが動いていない。

いたずらをする子どもみたいな顔だ。やっとこっち向いたー、って楽しそう。









「よし、もうやめ。」





大貴「おっ、待ってました!」









わたしがパタリとノートを閉じると嬉しそうに立ち上がる大貴くん。もう。一緒に勉強しようっていうから教室に残ったのに。と言いつつ喜んでいたのはわたしのほうかもしれない。





「ニューワールド行こう?」




大貴「やだよ、今日やってるし。」




「だから行くんじゃん。」









えー、と言いながらも荷物をカバンに詰め込んで立ち上がってくれる大貴くん。

営業日だから嫌だ、という経営者の息子ならではの文句が少し可笑しかった。









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いく(プロフ) - パレードが始まるが頭の中に流れました!!ステキなお話をありがとうございます。 (2020年8月9日 10時) (レス) id: bf142477e0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうみ - むぎさんの作品まじで大好きです。何億回でも読めます。 (2020年3月24日 22時) (レス) id: 62a0eb8cec (このIDを非表示/違反報告)
じゃん - 受験終わったあとの楽しみにしてて、今日読み終わりました。相変わらずむぎさん最高すぎます。大好きです。 (2020年3月24日 22時) (レス) id: 2c5e964fc3 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 好きすぎました!!めちゃくちゃ泣いたしめちゃくちゃドキドキしたし有岡くんが有岡くんで、このお話大好きです! (2020年3月14日 16時) (レス) id: d970aa184c (このIDを非表示/違反報告)
ねこ。(プロフ) - 完結おめでとうございます!めちゃくちゃ幸せでした!またいつか機会があれば、未来に戻ってから結婚までのお話も気になるので、読めたら嬉しいな〜と思いました! (2020年1月1日 13時) (レス) id: f99e88b778 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:むぎ | 作成日時:2019年12月1日 12時

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